妊娠子癇はどんな病気?
妊婦が異常な高血圧に伴って痙攣・意識消失を起こす症状を子癇といい、時期によって分娩子癇・産褥子癇とありますが妊娠中に起きると妊娠子癇と呼びます。妊娠高血圧症候群の症状の一つで、最も重いものです。高血圧に加えて蛋白尿が出ている人はリスクが高まります。予防方法として、妊娠生活の中で妊娠高血圧症にならないようにすることが肝要です。
主な症状
妊娠子癇は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の症状であるむくみや高血圧、タンパク尿などがあり、けいれんや意識喪失などの子癇発作が突然発症します。胃痛やはきけ、嘔吐などの胃の病状や、視野が狭くなる、目の前がちらつくなどの目の病状、めまいや耳鳴り、頭痛などの脳神経の病状が子癇発作の前ぶれとして起こる事があります。子癇発作は、意識を失う1期から昏睡状態の4期まで、段階的に分ける事が出来ます。
主な原因
妊娠子癇の詳しい原因は不明ですが、子癇発作は脳血管の痙攣と脳浮腫によって発症すると考えられているため、妊娠高血圧症候群が悪化し、脳血管に影響を与えることが原因であると考えられます。妊娠高血圧症候群の原因も詳しくは不明ですが、妊娠に体が上手く対応できていない場合に起こると考えられており、高血圧や尿タンパクが症状として表れます。
主な検査と診断
妊娠子癇の検査方法は、まず妊娠高血圧症候群の検査を行います。つまり血圧、尿タンパクの検査を行い、その上で痙攣や発作があれば妊娠子癇と考えられます。但し、てんかんや脳血管障害との鑑別がつきにくいため、頭部CT検査や脳波検査を行うこともあります。また、糖尿病、腎臓病を患っている人も妊娠高血圧症候群ひいては妊娠子癇を起こしやすいので、それらの病気の検査を行います。
主な治療方法
妊娠子癇の治療法として、鎮静剤、降圧薬、利尿薬、強心薬などを利用した薬物療法があります。痙攣や意識のない場合の応急処置としては、体を横向きにして気道を確保し、舌をかまないように押し込むなどします。また、外部からの光や音、振動などからも妊娠子癇が誘発される場合があるため、これらの刺激から遠ざけ、暗く静かな場所に隔離します。
妊娠子癇の初診に適した診療科目
妊娠子癇に関連する病名