悪性過高熱

初診に適した診療科目

悪性過高熱はどんな病気?

悪性過高熱は全身麻酔の併発症の一種で、全身麻酔による死亡率も高い病気です。症状は異常な高熱や骨格筋の硬直が挙げられます。世代別では10歳未満の発症率が最も多く、死亡率が多いのは30代です。症状が見られ始めた場合、体温上昇を抑えるための全身冷却と並行して、唯一の効果的なダントロレンという薬を用いて症状を徐々に抑えていきます。

主な症状

悪性過高熱の典型的症状は異化亢進状態によって引き起こされ、異常な高熱、心拍数と呼吸数の増加、二酸化炭素産生量の増加、酸素消費量の増加、酸血症、筋肉の硬直、横紋筋融解症を示します。通常、薬剤の投与から1時間以内に発症しますが、数時間後に発症する症例も稀にあります。感受性のある人の多くは、原因物質が投与されなければ症状が現れることはほとんどありません。

主な原因

悪性過高熱は、全身麻酔をした際に遺伝子の異常が原因で引き起こされます。遺伝子の中でも19番目の染色体中にあるリアノジン受容体遺伝子と呼ばれる遺伝子の異常が原因で起こります。悪性過高熱は、通常の場合に筋小胞体に蓄積されているカルシウムイオンが放出され、筋小胞体に再吸収される過程が起こらないことが原因となって、筋肉が弛緩できずに収縮した状態にしなってしまうため発症します。

主な検査と診断

悪性過高熱に対し現在使われている検査方法は、骨格筋を用いた検査です。主に三種類の検査方法があり、まず欧米では筋束を用いたハロセン、カフェイン感受性試験が行われています。そして日本国内では、スキンド・ファイバーを用いたハロセン、カフェイン感受性試験、カルシウム誘発性カルシウム遊離速度測定検査が用いられています。将来的には血液検査によって診断ができるようにと研究が進められています。

主な治療方法

悪性過高熱が急性の発作した場合の治療法は、揮発性の吸入麻酔薬の投与をすぐにやめ、純酸素で過換気します。ダントロレンを投与し、体温が回復するまで続けて投与します。症状が再発した場合には、引き続き改善するまで投与を繰り返します。強力な冷却をおこない、中枢温が38度以下になったら冷却をとめます。冷却を続けると逆に低体温になります。