腎低形成

腎低形成はどんな病気?

腎低形成とは、通常よりも腎臓の作りが小さいために十分な働きができずに、体の成長とともに障害が発生する病気です。片側の腎臓のみが低形成の場合には症状が現れることはありませんが、両側の腎臓が低形成の場合、成長とともに慢性腎不全の症状が現れるようになります。合併症の予防に気を配りながら、合併症が現れた場合には対処療法を行います。根本的な治療法は見つかっておらず、時には死に至ることもあります。

主な症状

腎低形成の症状は、血圧の上昇や息切れ、食欲不振、疲労感などの体の変化を感じるようになります。また、足にはむくみなどの病変を発現してきます。さらに、腎臓の機能低下の影響により、尿の量が増えるといった体の病状も表れます。初期段階では無自覚である場合が多いものの、腎臓の働きが低下するにつれて各種の病状を感じるようになります。

主な原因

腎低形成は腎臓が形成される際の異常のため、先天的な奇形の一つになるものの、これ自体が病気として以上を起こすわけではありません。通常、腎臓は体に対して一定の大きさが保たれるはずですが、奇形により通常よりも小さく、十分な機能が果たせないためにさまざまな症状を引き起こす要因になります。先天的な奇形が多いため、原因は母体の影響や遺伝が考えられます。

主な検査と診断

腎低形成の検査方法には、超音波検査やCTなどの画像診断が用いられ、詳しい腎臓の大きさなどが調べられます。そのほかにむくみがないかどうかの検査や、尿検査、血液検査が行われます。これは、全身に及ぶ合併症の症状がないか合わせて調べるために行われるものです。症状に応じて、腎臓とともに膀胱や、その他の周辺組織についても調べられます。

主な治療方法

腎低形成の治療法は、現在の医療では根本的な治療は残念ながらまだ解明されていません。ただ両側の腎臓が、この形成の場合は腎不全になるおそれがあるため、定期的に診察を受ける必要があります。また降圧薬のアンジオテンシン受容体拮薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬を服用することで、腎不全の進行を遅らせることができるといわれています。