嗅粘膜性嗅覚障害

初診に適した診療科目

嗅粘膜性嗅覚障害はどんな病気?

嗅粘膜性嗅覚障害は、嗅粘膜性の嗅覚障害に分類され鼻腔内の上部にある嗅粘膜の嗅細胞や嗅神経が障害されることによって起きる障害です。人間がにおいを感じる受容器は鼻腔の奥の嗅上皮にある、およそ500万ほどの嗅細胞ですが、これが風邪やインフルエンザなどの疾患によって破壊されたり、傷つくことで起こります。本疾患嗅覚は著しく嗅覚を減退させるため、においを全く感じなくなることもあります。

主な症状

嗅粘膜性嗅覚障害は「末梢性嗅覚障害」のひとつと分類されます。風邪をひくとにおいが分からなくなる症状が起こりますが、風邪をひいていないのに、または風邪が治ったあとにもにおいが感じられない状態が続く場合はこの嗅覚障害になっているのかもしれません。食べ物の風味が感じられない、というQOL(生活の質)低下のほか、食材の腐敗やガス漏れに気づけないことから、生命の危機につながらないとは言い切れません。

主な原因

嗅粘膜性嗅覚障害の原因にあげられるのは、急性上気道炎が考えられます。また、鼻の福鼻腔の慢性的な疾患により、起こる場合もあります。その他には、有害物質の吸引も考えられます。例としては、煙草等の煙がそうです。また、加齢により起こりやすくなる傾向にあり、ウィルスに感染することにより、起こる場合もあるので、要因は多岐に渡ります。

主な検査と診断

嗅粘膜性嗅覚障害の検査方法は、静脈嗅覚検査(強い香りのする薬を注射して反応を見る検査)を行い嗅覚障害の程度を見ます。また、急性上気道炎であったり、鼻、副鼻腔の慢性疾患であったり、有害物が付着していたり、吸入していたりすることも考えられるので針状硬生鏡による、嗅粘膜の検査なども行い、障害のある部位がないかを、それぞれの原因に適した方法で調べます。

主な治療方法

嗅粘膜性嗅覚障害の治療法にはステロイド点鼻療法を用います。ステロイド点鼻療法は患者を横向きの状態にし、頭を垂らした姿勢でごく少量の副腎皮質ホルモン薬、すなわちステロイド剤をを鼻腔内に滴下し、嗅粘膜など嗅覚機能の回復を図ります。ステロイド点鼻療法は3ヶ月から6ヶ月ほどの継続で、およそ嗅覚障害の患者のうち60%から70%が治癒します。