銅欠乏性貧血 ドウケツボウセイヒンケツ

初診に適した診療科目

銅欠乏性貧血はどんな病気?

銅欠乏性貧血は、体が本来必要とする銅の量が不足することによって引き起こされる病気です。銅は、ヘモグロビンに鉄を転換させる作用を持っています。通常の栄養状態では銅不足により貧血を起こすことは少ないももの、手術などによって銅が不足することがあります。銅不足は、貧血の他にも、運動失調やけいれんなどの病状を伴うこともあります。

主な症状

銅欠乏性貧血の主な症状は、頭痛、めまい、立ちくらみ、易疲労感、息切れ、動悸です。これは、貧血に共通するものであるともいわれています。他にも、耳鳴り、全身倦怠感・脱力感、顔色不良、眼瞼結膜蒼白舌炎や口内炎、頻脈、心拡大などがみられることもあります。重症の場合では、失神発作が起こったり、狭心症や高拍出性心不全に陥ったりすることがあると考えられています。

主な原因

銅欠乏性貧血の主な原因としては、銅の不足している高カロリーの輸液や、胃の手術後に見られることがあります。銅の摂取量は典型的な食生活で補えきれないことがあり、このような要因に加え、亜鉛は消化管からの吸収において銅の吸収を妨げる為に、亜鉛の長期の過剰摂取が銅の欠乏の貧血の要因となることがあります。又、銅の過剰な状態の治療で、亜鉛の製剤の使用で発症することもあります。

主な検査と診断

銅欠乏性貧血の主な検査方法として、血液検査があげられます。血液検査では、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値、赤血球容積、血清鉄濃度、血清銅濃度、フェリチン濃度、セルロプラスミン値などが測定されます。血清銅濃度とセルロプラスミン値が低下している場合は、本病であると判断されます。本病は、健康な人でなく輸液管理中の患者さんなどに発症すると考えられており、その原因を解明するのも検査の一つであるといえます。

主な治療方法

銅欠乏性貧血の治療法としては、経口ではない方法での銅の摂取を継続的に行うことが最も効率的な方法として挙げられています。銅の生成を促進するために、銅の摂取とともに亜鉛製剤を用いる治療の方法をとることもあり、複数の治療方法によって状態の改善を目指します。これに合わせて食事療法を進めるケースもあり、症状の度合いに応じて治療の方法が変わります。