神経皮膚黒色症 シンケイヒフコッショクショウ

初診に適した診療科目

神経皮膚黒色症はどんな病気?

アザの中で気をつけなくてはいけない症例の一つが神経皮膚黒色症です。体表だけではなく、脳の表面にもアザができるという、非常に稀な先天性の疾患です。幼少期に体表にアザがあり、てんかん発作を起こす場合にはこの症例を疑って検査をする必要があります。メラノーマ(悪性黒色腫)発生の要因にもなりますので、注意が必要な症例としてあげられています。

主な症状

神経皮膚黒色症の症状は、直径20センチ以上の巨大色素性母斑が挙げられますが、中枢神経にも異常が見られることが特徴になっています。先天的に背中など体幹部に大きな母斑が見られ、成長に伴って拡大していきます。検査によって中枢神経にも同様の母斑の存在が確認でき、それらが頭痛、嘔吐、けいれんや意識障害などを引き起こす場合があります。

主な原因

神経皮膚黒色症の原因は、胎生期の神経外胚葉形成異常と推測されていますが、神経堤に由来するメラノプラスト増殖が皮膚や脳軟膜と言った中枢神経系で起こるために発症します。脳膜や脳内でも色素を作る細胞が増殖してしまいます。巨大色素系母斑と脳脊髄の色素細胞の異常増殖のためです。稀な先天性疾患ですが、家族内発生や遺伝性は認められていません。

主な検査と診断

神経皮膚黒色症の検査方法は、確立されていません。検査として、MRIを行いますが、移らない場合が多々あります。また、この病気の特徴が肌にできる黒色のアザのようなあとがあるので問診で、見つける以外には、有効な方法はありません。また、ほおっておくとアザは大きくなるので、大きくなってからですと、運動障害や命にも関わる病気の一つです。

主な治療方法

神経皮膚黒色症は、原発性の場合、残念ながら対処療法以外の治療法は現在のところ見つかっていません。この症状は美容的に大きな問題があるため、発症後早急に解離術を行うことが望ましいです。また、母斑は切除します。また、レーザー治療を併用することもあります。悪性化を防ぐためにはより深く切除をすることが重要ですが、見た目が良くないことが問題です。