鼓室硬化症

初診に適した診療科目

鼓室硬化症はどんな病気?

鼓室硬化症は、滲出性中耳炎を治療せずに放置しておくと、中耳に増殖した結合組織の肉芽が出来ます。この出来た肉芽が石灰化ら骨化し、鼓膜・耳小骨が固くなり、音が上手く聞こえなくなり難聴が起こります。鼓膜の石灰化の状態ではまだ治療の必要はありませんが、伝音難聴となれば聴力改善のために鼓室形成術が必要になります。硬化している病変を摘出してから、鼓膜や耳小骨の連鎖を再建します。

主な症状

鼓室硬化症は中耳炎の後遺症です。症状としては、滲出性中耳炎を放置しておくと、肉芽が中耳にできてしまいます。これを長年そのままにしておくと石灰化や骨化してしまいます。そして石灰化したものが耳小骨という音を伝える装置や、鼓膜の粘膜に沈着してしまいます。放置しておくと、音の伝わり方の動きが鈍くなるため難聴になってしまいます。

主な原因

急性中耳炎や滲出性中耳炎を発症し、粘り気の強い滲出液が中耳内に溜まるのを放置していると、中耳内に増殖した組織(肉芽)ができてしまいます。これが更に、そのまま長期間経過するとカルシウムの沈着や硝子変性が起こったり、骨のように硬くなって固着したりしてしまいます。この病変が鼓膜や耳小骨の動きを阻害するのが鼓室硬化症の原因です。

主な検査と診断

鼓室硬化症の検査方法は、手術用の顕微鏡などを使用して、よく観察するのが検査において重要です。膿の有無や、穿孔のサイズ、発赤の有無、肥厚、石灰化などを調べる事で、現在の状態が分かります。純音聴力検査では、難聴の具合を測定し、伝音難聴か混合難聴かを診断します。その他中耳機能検査や細菌検査も行い、細菌に対する抗生物質の感受性を調べ適切な抗生物質を使用するのに大切な検査です。

主な治療方法

重症の鼓室硬化症を治療するには難聴を改善するために、硬化した病変を全て摘出する必要があります。鼓膜に異常がある時は、鼓膜の機能を回復させる手術を受けると聴力を元通りにすることが出来ます。症状が軽い時でも症状の悪化を防ぐために、硝子変性を取り除いておく必要があります。手術を受けた後は、抗生物質を用いた治療法で耳の細菌感染を予防することが出来ます。