直腸粘膜脱症候群
直腸粘膜脱症候群はどんな病気?
直腸粘膜脱症候群とは、排便時に長時間いきむことを習慣にしていると直腸の粘膜が脱出してしまい潰瘍ができる病気です。原因は排便時に本来ならゆるむべき筋肉が逆に収縮してしまったり、骨盤底を支える筋肉などの組織が弱くなるためと考えられます。症状が進むと肛門の痛みや出血、排便回数の増加などが現れます。
排便時に長時間いきむのをやめる、薬物や生活習慣を改善するなどの保存療法をすることになります。
主な症状
直腸粘膜脱症候群の症状は、粘血がでることや直腸粘膜の脱出、肛門の痛みなどがあります。便秘や下痢、トイレに行く回数の増加などがあります。そして、この病気に特徴的なのが排便した後にもかかわらず便が出きっていない感覚が残るため、直ぐにトイレに行きたくなることです。
また、その他にも直腸に潰瘍ができたりポリープ上の隆起が見られるのも特徴となっています。
主な原因
直腸粘膜脱症候群の原因は、排便に関わる筋肉の脆弱化などによります。排便を促すための骨盤底を支えている筋肉などが弱っている場合が考えられます。また、排便の際には緩むべきである恥骨直腸筋が、逆に収縮することによってこうした症状を引き起こしていることもあります。こうした要因から、直腸の粘膜が傷ついて潰瘍などを発症することになります。
主な検査と診断
直腸粘膜脱症候群の検査方法は、直腸鏡検査・大腸内視鏡検査・注腸検査です。これらの検査で、直腸内の粘膜に潰瘍などの病変が認められる場合はさらに、粘膜の一部をとって顕微鏡で調べる生検を行います。
直腸内での隆起をがんやポリープに間違えたり、他の炎症性疾患と似ていたりなど、区別が難しいため、後の生検が病気を確定させていくために重要です。
主な治療方法
排便の時に強くいきむことをやめるように心掛けることで、症状が軽い直腸粘膜脱症候群を治すことが出来ます。症状が進行している時は、浣腸をすることで排便をスムーズに行なえるようになります。坐薬を使用する治療法も効果的です。潰瘍ができている時は炎症剤を服用することで、排便時の痛みと肛門の痛みの症状を改善することが事が出来ます。