回虫症 カイチュウショウ

初診に適した診療科目

回虫症はどんな病気?

回虫症は私たち人間の腸に回虫が寄生することによって発症する疾患です。一般的に症状はあまり見られない場合が多いものの、発熱やせき腹痛などを起こすこともあります。回虫の卵が付着した食物を摂取することが原因となっており、便を採取してその中に回虫やその卵があるかないかを調べることで診断がなされます。治療には抗寄生虫薬が用いられます。

主な症状

回虫は感染してもほぼ無症状であることが多いですが、回虫症として幼虫移行によるものや大量感染によるものが見られることがあります。前者としては、肝臓で肝小葉の線維化や、肺で回虫性の肺炎が起こります。後者としては、大量感染した成虫が臓器に迷入することで、総胆管で急性胆のう炎を起こしたり、虫垂で急性虫垂炎を起こしたりすることがあります。

主な原因

回虫症は、野菜の経口摂取や、食べ物に付着したほこりなどを介して、回虫の幼虫包蔵卵を摂取することにより起こります。幼虫包蔵卵を摂取すると、小腸で孵化し、幼虫が血中に侵入します。血流を介して肝臓、心臓、肺、気道を経て再び消化管に達し、小腸で成虫として寄生します。幼虫が体内を移行することが、回虫性肺炎を起こし、また、大量の成虫が迷入することが、胆のう炎や虫垂炎の原因となります。

主な検査と診断

回虫症の検査方法としては、胃・十二指腸における内視鏡検査によるものがあります。こうした内視鏡検査によって、体内の回虫が偶発的に発見されるのです。虫が口から吐き出されたり、肛門から排出された場合は、その虫が回虫の形態かどうかを検査します。胃・腸から薄ピンク色で、ミミズに類似した大きな虫が内視鏡検査等で発見された場合は、この病気であることに間違いありません。

主な治療方法

回虫症の治療法は、原因である回虫を内視鏡でつまみ出せば解決ですが、基本的には駆虫薬(コンバントリン)を内服します。アルベンダゾールやメベンダゾール、ペマンテルパモ酸塩を利用することもありますが、妊婦には胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため使用してはいけません。ただ、小腸以外に溜まっている回虫の幼虫を一気に駆除するために有効な薬剤はないとされています。