抗リン脂質抗体症候群

初診に適した診療科目

抗リン脂質抗体症候群はどんな病気?

抗リン脂質抗体症候群とは、体内の血液が固まりやすくなり静脈や動脈に血栓ができやすくなる自己免疫疾患です。血栓ができることで脳梗塞や心筋梗塞につながります。最悪の場合、死に至るケースもあります。原因は未だ解明されていませんが、女性の患者が多く、妊娠を機に発症することが多いです。妊婦が発症すると赤ちゃんに栄養が届きにくくなり流産の原因になります。

主な症状

抗リン脂質抗体症候群の症状は下肢の膨張と激しい痛みがあります。脳の血管に血栓ができ、脳梗塞を起こす場合もあります。また脳血流障害により、片頭痛や意識障害、知能障害、てんかんなど中枢神経系のトラブルがでてきます。血栓が飛ぶ場所が肺だと肺動静脈血栓症や呼吸不全、網膜動脈だと失明、心臓の血管に飛ぶと心筋梗塞などをひきおこします。

主な原因

抗リン脂質抗体症候群の原因は、血液中に作られた脂質抗体が血液の凝固をうながし、過凝固の状態になってしまうことです。この抗リン脂質抗体とは自己抗体の一種です。具体的な抗体としてはβ2-グリコプロテイン1、抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝血素などが主に関係しています。その他にもいくつかの抗体が関与していると考えられています。

主な検査と診断

抗リン脂質抗体症候群の検査方法は、最初は問診で自己免疫疾患の病気の有無などを尋ねられます。血液検査で、血液中の抗リン脂質抗体と血液の凝固検査が行われます。ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗リン脂質抗体の3つの項目がありますが、項目の1つ以上が12週以上の間隔をあけて2回以上の陽性反応が出ないかを検査を行います。

主な治療方法

抗リン脂質抗体症候群の治療法は、抗凝固療法と原因疾患の回復です。抗凝固療法としては、抗血小板剤や抗凝固剤、また、線維素溶解剤を用いて、病状に合わせて選択していきます。また、元の疾患として自己免疫を問題としている場合においては、ステロイド剤や免疫抑制剤を用いることによって治療を行います。他にも、血漿交換なども必要に応じて行います。