鼠径部ヘルニア

鼠径部ヘルニアはどんな病気?

鼠径部ヘルニアとは、鼠径部と呼ばれる両脚の付け根の部分から、臓器が逸脱してくるような病気です。通常は腹部の臓器は、それぞれがしかるべき場所に収まっているのですが、この脚の付け根の部分にヘルニアが起こると、周辺の臓器が外に飛び出てきてしまいます。一般的には、脱腸とよばれており、専門家以外の間では、昔からこの呼び方で通っています。

主な症状

鼠径部ヘルニアの症状として見られるのは、股の付け根部分にある鼠蹊部に痛みが生じ、しこりのような腫瘤と呼ばれるものが出現するというケースが最も多くなっています。このような状態は男性の場合、陰嚢にまで影響を及ぼす場合があり、腫瘤が脱出して陰嚢が腫れる症例も報告されています。この腫瘤は容易に脱出するため、少しの動作でその状態に陥ります。

主な原因

鼠径部ヘルニアの原因は、加齢と共に筋膜が衰えてくると鼠径管の入口が緩み、お腹に力を入れると筋膜の緩みからできた隙間から腹膜がでてくるようになり、次第に袋状になってきます。一回できてしまった袋は、なくなることはなく、そこに度々腹膜が脱出してしまうようになります。小児のヘルニアは先天的なものが多いですが、後天的なものでは加齢によって、特に男性に多く発症しています。

主な検査と診断

鼠径部ヘルニアの検査方法は主に触診で行われます。受診は外科が適しています。陰嚢付着部から鼠径部に沿って指をなぞらせてヘルニア門を見つけます。そして、患者さんにおなかに力を入れてもらい、ヘルニアの脱出を触診します。その触診部分によって外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニアなどと診断します。触診以外では、問診やCT検査なども重要な検査となります。

主な治療方法

鼠径部ヘルニアを発症した場合に用いられる治療法は、主に外科的手術が挙げられています。自然治癒を期待することが不可能であるため、鼠径部付近の皮膚を切開して脱出した臓器を戻すなどの手術を行います。この際は腰椎麻酔を行って手術に臨みます。脱出した臓器を戻す以外にも、膜壁にある孔を縫って塞ぐなどの手術を行って治療することもあります。

鼠径部ヘルニアの初診に適した診療科目