孔脳症

初診に適した診療科目

孔脳症はどんな病気?

孔脳症とは、胎児や分娩中、分娩直後の赤ちゃんの脳に、一定期間酸素やグルコースが行きわたらなかった際に脳の一部が変性を起こして機能を失ってしまうものです。変性した部分は吸収され、そのあとが液体に満たされた空洞として残ります。主として大脳半球に発生します。こうなると、脳性麻痺と呼ばれる状態に陥り、四肢の痙性麻痺、てんかん、精神発達遅延などが起こります。

主な症状

孔脳症は脳性まひの状態となり、四肢のまひ、筋力の低下や、けいれん、成長不良など様々な症状があらわれます。知能の発育にも影響を与え、発達障害や言語障害、精神発達遅延などが起こる場合もあり、てんかんを発症する率も高く、稀に、水頭症を合併することもあります。しかし、特に大きな状態の変化が見られず、その後も通常の発達、生活を送る患者もいます。

主な原因

孔脳症は、胎児や分娩中、分娩直後の赤ちゃんの脳に、一定期間、酸素とグルコースがいきわたらないことで、脳の一部が変性を起こし、機能を失うことが原因で発症します。脳が低酸素性状態になる理由は様々ですが、発育異常や、脳虚血、細菌感染、炎症性疾患、未熟児の脳内出血、周産期における脳循環障害、または、出産時の頭部外傷などが上げられます。

主な検査と診断

孔脳症の検査方法とは、まず脳の部分にどのような異常が起きているのかを調べる必要があります。それを知るにはCTやMRI検査を受ける必要があります。脳を様々な角度から写し出して、画像にします。すると脳のどの部位に異常があり、その状態がこれから体にどのような悪影響を及ぼすのか、等の詳しいことも分かってきます。治療による回復の見込みも分かります。

主な治療方法

孔脳症の治療法は、急性期には脳神経外科での重点的な治療が必要ですが、慢性期には抗てんかん薬を使用したり、手足の麻痺には内科的治療や機能的脊髄後根切断術や神経縮小術などの外科的治療が行われます。その他にも、バクロフェロン髄注療法やリハビリテーションも有効な方法です。麻痺に根本的な治療は無いため、リハビリによる運動訓練などで生活のレベルを高くすることが大切です。