咽後膿瘍 インゴノウヨウ

初診に適した診療科目

咽後膿瘍はどんな病気?

咽後膿瘍とは、くびにある骨の前側に被さっているとても硬質な筋肉の膜と、咽頭を包み込んでいる咽頭筋という筋膜の二つの筋膜がが接している場所に、咽後間隙、(いんごかんげきと読みます。)という粗い組織がありますが、こうした部分に炎症がとてもひろがり膿が溜まってしまうような病気です。上の方では頭蓋骨があって、下の方は縦隔まで続いていますので、下方にゆくと危険なとなります。

主な症状

咽後膿瘍の症状としては、乳幼児・小児と成人では異なる場合が多く、成人の場合、発熱、喉の痛み、そしてその喉の痛みで食事摂取困難などが起き、炎症が進むにつれ口が開けにくくなり、話すことも難しくなり、それだけでなく呼吸も苦しくなり呼吸困難も起きます。小児の場合は、食欲不振や、機嫌や気分が悪くなるなど、急性の咽頭炎に似た事が現れます。

主な原因

咽後膿瘍の原因は、咽後間隙には咽後リンパ節があり、咽頭や口腔の炎症がこのリンパ節におよび、さらに広がることによって膿瘍となります。外傷や異物によって引き起こされる事でも知られています。気付くのが難しい病気でもあるので、かぜや急性咽頭炎などが長引き、呼吸が悪化する場合などは、早めに病院で耳鼻咽喉科を受診するのが賢明でしょう。

主な検査と診断

咽後膿瘍(いんごのうよう)についてです。咽頭粘膜後方のリンパ節という部位に細菌などが感染し膿瘍ができるために膿汁が溜まる疾患です。検査方法についてですが、MRIやCTなどの画像診断により比較的容易に診断できます。咽頭炎症状のみ場合ですが、腫れや膨隆で膿瘍が疑われるので鼻咽腔ファイバースコープ(内視鏡)での検査で目視確認します。

主な治療方法

咽後膿瘍の治療法としましては、抗生物質の投与はしますが、基本的には外科的治療で膿瘍を切開して排膿することが一番効果的でもあります。膿瘍が限局していたり呼吸困難が生じる時は懸垂頭位で針を刺し、膿汁を吸引する方法も取られます。膿瘍が下方に進展していたり、すぐに手術が必要と考えられる場合は、全身麻酔をしたうえで、気管切開の後に頸部外切開をして排膿します。