大腿骨頭すべり症はどんな病気?
大腿骨頭すべり症とは、大腿骨の股関節部分にある成長軟骨層である骨端線がずれてしまうことです。これは成長すると硬い骨になりますが、成長過程においては外力に弱く、無理な力が加わるとその部分にずれが生じやすくなります。10代前半のホルモンバランスの悪い、肥満気味の男児に多く発症します。ホルモンバランスに異常があると、骨端線の成長が遅れ、骨の強度の弱い期間が長引くためずれやすくなります。
主な症状
大腿骨頭すべり症は、骨端部が頚部に対して後下方に転位するため、内旋位と伸展位における外転制限がある運動制限と股関節、膝や下腿に放散痛をともなうこともある疼痛と股関節屈曲時下肢が強制的に外転・外旋するDrehmann徴候、すべりが高度な場合には、下肢の短縮やトレンデレンブルグ跛行や外旋位拘縮、外旋歩行などの症状がみられます。
主な原因
大腿骨頭すべり症の原因は、明確に特定されているわけではありません。考えられることとしては、骨端線の強度に関連する体質的要素が骨端線を脆弱にしているということです。この仮説は非常に有力だとされています。そうした骨端線の弱体化から、骨端線の耐久性を超える外力が加わり、日常の動作による物理的負担に耐えることができなくなることでこの病気は引き起こされると現在では考えられています。
主な検査と診断
大腿骨頭すべり症の検査方法としては、異常が股関節であるためにレントゲン撮影での検査が行われます。又、膝関節に痛みがある場合は、膝の痛みも診察することが必要で、レントゲン検査をするだけではなく、他の画像診断による検査も必要になます。そして、この症状では、成長期には軟骨に個人差が大きく出るために、健常な大腿骨頭のレントゲン画像を撮影し、比較する検査も必要になります。
主な治療方法
大腿骨頭すべり症とは、股関節近辺の骨端腺がずれて変形するため、痛みや関節の動きに異常を来たしたり歩行障害の症状として現れる病気です。外傷の影響が大きく症状の出現が明らかな場合を急性、そうでない場合を慢性と分けています。この病気の治療法は、急性の場合は入院手術で牽引療法や整復を行ない、骨端腺をスクリューで固定します。慢性の場合整復は難しいので、骨切り術を行ない股関節の動きの異常を治します。
大腿骨頭すべり症の初診に適した診療科目
大腿骨頭すべり症に関連する病名