逆行性健忘はどんな病気?
逆行性健忘は、事故や大きなショックを受けた際に発症します。その衝撃を受けた時、それ以前の記憶をひとつも思い出せない、またはすっかり忘れてしまっているという場合のことをこう呼びます。記憶の欠落している度合いや、期間は個人でそれぞれちがい、衝撃を受ける数時間前までの記憶がないことから、その数カ月、数年前までの記憶が消えてしまうといった場合もあります。
主な症状
逆行性健忘とは、精神障害の一種で交通事故などに遭遇した時に脳に強い衝撃を受けるなどの意識障害の起こった時点より以前にさかのぼって、思い出すことができない、などの症状を引き起こすものです。このあとに何ら後遺症を残さない場合が殆どですが、まれに舌のもつれ、眼が見れなくなる、手足が動かなくなる、などの後遺症を残す場合があります。
主な原因
逆行性健忘は、交通事故などによって、脳に衝撃を受け、損壊した状態になることが原因になっています。大脳の障害により、脳損傷が引き起こされることにより症状が現れますが、見過ごされてしまう場合もあります。他の脳の疾患の症状として同様の症状が現れる場合もあるので、自覚、または周囲に指摘された場合には、検査を受ける必要があります。
主な検査と診断
逆行性健忘の検査方法では、血液検査・CT又はMRIの脳スキャンがあります。その他には、腕に特別な染料を静脈注射して脳の血管を映し出し画像を記録する脳波血管造影・脳磁図にはPETスキャンが行われます。アンケート式の検査では、言語テスト・視聴覚検査・ヴィジュアル検査・心理テスト・認知テストがあります。脳の病理学の他には、髄液を用いた腰椎穿刺による検出もあります。
主な治療方法
逆行性健忘の治療法は、精神療法を行う場合があります。完全な治療方法は現在では存在しませんが、偶発的な現象、会話、シチューエーションなどが影響で不意に記憶が戻ることがあります。ただしこれは後からわかることであり、狙って当人の記憶を呼び起こすことは難しい傾向にあります。身近な人と過ごしていたり、普段と同じ生活をしていて治る場合もあるので、必ずしも医師の世話が必要というわけはありません。
逆行性健忘の初診に適した診療科目
逆行性健忘に関連する病名