ワルチン腫瘍はどんな病気?
ワルチン腫瘍とは、唾液腺の良性病変です。良性上皮性腫瘍の一つで、唾液腺腫瘍の2~15%を占め、全耳下腺腫瘍の約10%を占めます。30~60歳の男性に多く、10%で多発性、両側性を示します。また、特に喫煙者に多いです。大唾液腺、特に耳下腺に好発し、50歳以上の男性に多いです。手術後の再発率は低悪性化は稀であるとされています。
主な症状
ワルチン腫瘍の症状として多いのは、耳の下や顎の下の腫れ・しこりといったものです。腫瘍が良性の場合は、痛み・顔面神経麻痺といったことがないためある程度大きくなって気付くことが多く、腫瘍が悪性の場合は、腫瘍の大きくなるペースが早く、痛み・顔面神経麻痺が出現することが多いです。なお、腫瘍が悪性の場合は、腫瘍が周囲の組織に浸潤しやすいため腫瘍が上下左右に動かないことが多いです。
主な原因
ワルチン腫瘍が生じる原因は不明とされています。良性腫瘍の一つですが、免疫異常が関係していると言われています。近年では研究が進み、喫煙が唾液腺腫瘍をはじめとする腫瘍の主な理由であると考えられています。アメリカの研究結果では喫煙によるリスクは男性で7.6倍、女性では17.4倍と算出されました。また、元来発癌物質でないアルコールも、多くの場合喫煙との相乗効果で発癌や腫瘍の母地を作るとされています。
主な検査と診断
ワルチン腫瘍とは中年男性の耳の下の耳下腺に好発する良性腫瘍の一種です。まれに悪性化する場合があるものの、摘出手術後の再発は少ないと言われています。治療法は手術による摘出ですが、痛みもないため、よほど腫瘍が大きくなっていないかぎりは、後遺症や悪性化に留意して手術を見合わせ、とりあえず経過を見守る人もいます。検査方法としてはCT、MRIなどの画像検査で腫瘍の内部構造を精査して診断します。
主な治療方法
症状が軽い場合や腫瘍が小さい時は経過観察を行ないます。腫瘍の大きさが大きい場合は、切除手術を受けてワルチン腫瘍を取り除けば治療を済ませることができます。腫瘍を摘出する治療法なら、腫瘍が転移したり再発することがありません。抗生物質の投与やステロイドの服用も効果があります。早期に腫瘍を切り取る手術を受ける事で、顔面麻痺の発生を予防することが出来ます。
ワルチン腫瘍の初診に適した診療科目