ホモシスチン尿症はどんな病気?
ホモシスチン尿症とはホモシスチンが分解されずに血液中にたまり、尿中に大量に排出される病気です。出生時にはほとんど無症状ですが、治療しないままだと年齢と共に症状が現れてきます。程度は人によって違いますが、知能障害や骨格の異常、眼の異常、血栓、寒栓症があります。治療は血中ホモシスチン濃度を下げるために、メチオニンを制限した食事療法を生涯続ける必要があります。
ホモシスチン尿症の主な症状は?
ホモシスチン尿症の症状は、出生時においてはほとんどないため、発見が遅れると病気が重篤化します。1才を経過すると知能障害が出始め、3才頃からは骨格異常に由来する高身長・四肢指伸長・持続性の骨粗鬆症・水晶体偏位による視力低下・緑内障が引き起こされます。また、血中メチオニン濃度の調整がうまくいかなくなると、血栓症・塞栓症を併発する場合もあります。
ホモシスチン尿症の主な原因は?
ホモシスチン尿症の原因は、遺伝子異常や投薬の影響による酵素の機能不全です。必須アミノ酸の一つであるメチオニンは、酵素の働きによって必要な栄養素に作り変えられていきます。しかし、酵素の機能が先天的、あるいは後天的な要因で欠けることによって、血液中にメチオニンやそこから作り出されるホモシスチンが蓄積され、尿の中に排泄されるようになります。
ホモシスチン尿症の主な検査と診断方法は?
ホモシスチン尿症は、新生児スクリーニングの対象疾患となっていますので、検査方法として、血中のメチオニン濃度を酵素法によって測定します。その結果、2mg/dL以上の値を示し、かつ、HPLC法を用いた再検査においても、1.5mg/dL以上の異常高値を示すか否かをみることで判定します。ただし、高メチオニン血症による異常高値との判別を念頭において、各種所見を総合的にみることが検査と診断において重要です。
ホモシスチン尿症の主な治療方法は?
ホモシスチン尿症の治療法は、メチオニン制限食で食事療法を行い、有害なホモシスチン濃度を低下させます。シチスンを多く摂取しなくてはいけませんが、シチスンは生成物なのでそのままでは、作られませんので、食事に添加するなどして摂取します。血栓症を起こす可能性もあり、最悪のケースもでは死亡する危険もあります。ですので食事療法を生涯続けなければいけません。
ホモシスチン尿症の初診に適した診療科目