血胸 ケッキョウ

初診に適した診療科目

血胸はどんな病気?

胸腔内に血液がたまった状態のことを血胸といいます。胸部に強い衝撃を受けたことによって動脈や静脈が傷ついてしまったことが原因として考えられます。交通事故や高所からの転落など、胸部を強く打ち付けたときによく見られます。おもな症状には皮膚の変色や呼吸困難などがあります。外見には異常が見られない場合でも、胸腔内に大量の血液がたまっていることがあるので注意が必要です。

主な症状

血胸の症状のあらわれ方は、胸痛、呼吸が荒くなる、呼吸困難、チアノーゼ、頻脈、顔面蒼白などです。心音や呼吸音を聴収するのが困難になります。胸腔内にたまった血液が大量になると、肺を圧迫するようになります。また出血性ショックを起こしたり、血液の損失による循環障害や、意識障害が起こることもあり、緊急手術が行われることもあります。

主な原因

一般的に血胸の原因は交通事故等で胸を強く打ったり、暴行などにより殴られた時になるものです。相当強い力が加わる事によりなるもので、日常生活ではなかなか起こる事はありません。応急処置としては、一般的な流血等と同じく、出来るだけ下半身を上にし、心臓や脳に血液を送るといった事です。病院に搬送後は手術により胸に溜まった血を抜き取るという方法になります。

主な検査と診断

血胸の検査方法は、基本的には五感を用いた所見、いわゆる、視診、聴診、触診、打診と、胸部単純レントゲン写真撮影によって行われます。胸部レントゲンでは、姿勢によっては出血量がわからないことがあるため、患者に様々な姿勢をとってもらって各部から慎重に撮影を行う必要があります。最近では、超音波検査装置が用いられることも多くなっています。、

主な治療方法

血胸の治療法は、胸腔ドレナージを行い胸腔内に溜まった血液を取り除き、時間あたりの胸腔内の出血量をはかりながら、輸液・輸血を中心とした状態に合った循環管理を行います。胸腔内への出血量が多い場合は、緊急開胸手術を行って出血量を抑制する必要もあります。最近では、血管造影検査で出血源を特定し、血管内に塞栓物質を注入して止血する経カテーテル動脈塞栓術という方法も一般的になりました。