白血球減少症 ハッケッキュウゲンショウショウ

初診に適した診療科目

白血球減少症はどんな病気?

白血球減少症とは、体内に侵入した細菌や異物を分解してくれる白血球の数が減少してしまう病気です。
白血球の数が減少してしまうと免疫力が低下してしまうため、外部から侵入したウイルスや細菌などに対する抵抗力が弱まり、各種の感染症にかかりやすくなってしまいます。
減少した白血球の種類により、好中球減少症、リンパ球減少症などにわけられます。

主な症状

白血球減少症は一つの病名であらわされるものの、好中球が減っているのか、リンパ球や単球が減っているのかによって、かかりやすい感染症が異なります。多くの場合、白血球減少症といえば、白血球全体に占める割合が一番多い好中球の減少症を指していますが、軽度の好中球減少には症状がなく、健診などの採血で見つかることがほとんどです。
もちろん、傷の治りが遅い、風邪が一向に治らないといった自覚症状で受診され、好中球減少症が見つかるケースもありますが、この場合、好中球の数は極端に減少しています。

主な原因

白血球減少症の原因は、多数ありますが、現在、何らかの治療薬をのまれているならば、お薬の副作用をまず考えてみてください。
抗生物質、消炎鎮痛剤、糖尿病薬、精神安定剤、抗ヒスタミン薬、各種の抗がん剤など様々な薬剤に副作用として記載があります。
薬剤の他には、感染症や再生不良性貧血などで骨髄の造血機能が低下している場合、ある種のウイルス感染症、膠原病などの免疫疾患にかかっている場合などに白血球が減少します。尚、HIVウイルスの感染では白血球が減少しますがリンパ球の減少が主体です。

主な検査と診断

白血球減少症の検査方法は、血液検査にて白血球の数を調べます。そして好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球それぞれの数を求め、何が減っているのかを調べます。薬剤性が疑われる場合でも、自己判断で内服中の薬をとめることはせず主治医又はかかりつけの薬剤師にご相談ください。
白血球の数が1,000/μlを下回る減少症では免疫力の極端な低下が考えられますので早急な原因検索が必要です。造血機能に影響するウイルス感染症の検査、骨髄での造血力を調べる骨髄穿刺検査が必要により検討されます。
血液のCRPが高値上昇している場合は、敗血症を疑い血液培養検査を行います。

主な治療方法

薬剤の使用が原因と疑われる場合はその薬剤の使用を中止し代替可能な薬剤があればそちらに変更します。ただし、白血球の減少が軽度ならば免疫力に大きな問題は起きないので自己判断で本来必要な薬剤を中止しないことが大切です。
抗がん剤などで極端に白血球が減っている際は顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を投与し、免疫力がある程度期待できるレベルまで白血球を増やす治療を行います。軽度の白血球減少では特別な自己管理は不要ですが、G-CSF投与を受けられた方など、高度の白血球減少があった方は、自宅生活中、こまめに手洗いやうがい、マスク装着などを行います。食べ物は火を通し、作りたての物を食べるように心がけます。