ウエスト症候群 ウエストショウコウグン

初診に適した診療科目

ウエスト症候群はどんな病気?

ウエスト症候群は別名点頭てんかんとも呼びます。その名称の通りてんかん症候群の一種であり、特徴は点頭発作と呼ばれている短い発作を一群の繰り返しをして収束する、シリーズ形成性の発作となります。
原因は特定されたもので周産期脳障害・結節性硬化症によるものが圧倒的で、約95%の人に精神運動発達遅滞が合併します。
効果的な治療として、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の投与が挙げられます。

主な症状

ウエスト症候群の特徴的な症状として、起きた直後や眠いときに突然うなずくような動きを繰り返すてんかん発作があります。うなずくような仕草のほか、手足を一瞬縮めるような発作が数秒続き、5〜40秒ごとに繰り返し続きます。
この繰り返しをシリーズ形成といい、1日に何回もシリーズが出現します。
また、発作の出現前後より笑わなくなり、不機嫌になります。今までできていたお座りができなくなったり発達が退行することも特徴です。

主な原因

ウエスト症候群は乳幼児期に発症する難治性のてんかんです。その発症原因が特定されたものの中では周産期における脳障害と結節性硬化症によるものが一番多く報告されています。
その他にも染色体異常によるものや代謝疾患、脳の奇形、先天的な感染、乳幼児期における脳にダメージを与える疾患への罹患などが挙げられています。
近年では遺伝子異常によるとする報告もされています。

主な検査と診断

ウエスト症候群はヒプスアリスミアという特徴的な脳波がみられます。脳波所見でこのヒプスアリスミアが認められ、この疾患に特徴的なシリーズ形成と発達の停滞、退行が確認されれば診断がつきます。
また、他の疾患と区別するためにMRIが行われることもあります。

主な治療方法

ウエスト症候群に最も有効な治療法は、ACTHです。しかし、ACTHには十分な確証がないため、できるだけ少量を短期間に投与することが推奨されています。
副作用を見ながら投与し、重度の副作用が現れた場合は、使用を中止します。
抗てんかん薬治療をATCHの前に行う場合は、2週間以内に判定し、効果がない場合はATCHでの治療を行うことが望まれます。