致死性家族性不眠症 チシセイカゾクセイフミンショウ

初診に適した診療科目

致死性家族性不眠症はどんな病気?

生物にとって睡眠は生命活動を維持していくために必要不可欠なものですが、不眠がどんどんと悪化していき、最終的に死に至ってしまう病気があります。それが致死性家族性不眠症と呼ばれる病気です。この病気では脳細胞がプリオンによって破壊されていくことで引き起こされます。しかし、プリオンを作る遺伝子の異常は遺伝的なもので、現在のところ世界でも数えるほどの人数しかこの遺伝子の異常は見つかっていません。

主な症状

通常の場合、頑張って眠るのを我慢しても最終的には眠ってしまいますが、致死性家族性不眠症の場合は眠りたくても眠れないのが症状です。初期は眠りが浅いことから始まります。進行が進むと趣味に対して興味が湧かなくなってしまう性格の変化も現れます。そのうち筋肉が固まって、排泄もままならなくなりひどくやせ細ります。最終的には物を飲み込むこともコミュニケーションも取れなくなり、寝たきりになって死んでしまいます。

主な原因

致死性家族性不眠症は視床内の脳細胞にあるプリオン蛋白質が遺伝子の異常により、悪性(異常性)プリオンに変化し蓄積されることが原因です。人間は通常、脳幹から視床を通り大脳新皮質に「寝ろ」という命令を出し、外部からの刺激を遮断して睡眠状態になりますが、視床内の脳細胞がプリオンにより変性し機能しなくなることで、外部から大脳皮質への刺激が遮断されなくなり、夜間、不眠や興奮状態になる症状が現れます。

主な検査と診断

致死性家族性不眠症の検査方法は様々ありますが、CTやMRI検査がスタンダードな検査です。脳のCTやMRI検査で大脳や小脳の委縮を確認します。また、アイソトープを使用したポジトロン断層法と呼ばれる検査では、脳中央にある視床の活動の低下の有無を確認します。遺伝的な要素もあると言われていることから、遺伝子検査によって診断を確定する場合もあります。

主な治療方法

致死性家族性不眠症の治療法とは、いまのところは難病とされていて、確実な方法であるとか、効果的とされているものは、実はまったく存在しないのです。しかし、いくつか候補となるのではないかという薬剤は特定されているので、それらの薬剤の投与を行うことによって、ある程度は軽減できるものと目されています。なので先端的な治療をするためには、最新のまだ不安定な薬を使う以外に方法はないのです。