甲状腺クリーゼ コウジョウセンクリーゼ

初診に適した診療科目

甲状腺クリーゼはどんな病気?

甲状腺クリーゼとは、甲状腺自己抗体によって甲状腺が腫大することです。この病気はバセドウ病と呼ばれることが多いです。主な症状としては、甲状腺の腫大、眼球の突出、頻脈などが起きることが多いです。低カリウムによって四肢が麻痺することや、身体の臓器すべてが、全力で走っているときの状態になり、食欲は増すものの代謝が高くなるため、体重は減ります。

主な症状

甲状腺クリーゼの症状は脈は毎分150以上と速くなります。また一日に20回から30回も下痢を起こします。そのため、脱水状態になり脱力感を覚えたり、精神的に不安定な状態になります。エネルギーの消費が激しいため、体重も急激に落ちていきます。またひどくなると心不全や意識障害を引き起こし命の危機に見舞われるほど危険な状態になります。

主な原因

甲状腺クリーゼの原因は、パセドウ病や慢性甲状腺炎などの甲状腺の異常に起因するものです。バセドウ病や慢性甲状腺炎のような甲状腺に関わる病気を患い、さらに加えて、大きな手術の施術や大怪我、重度の感染症、妊娠や出産、さらには甲状腺治療の中断などといった、体に大きな負荷がかかる要因が重なったとき、この病気が発現することになります。

主な検査と診断

甲状腺クリーゼの検査ではまず血液検査を行います。血液中の甲状腺ホルモン値の異常の有無、甲状腺激抗体やTSH受容体抗体の陽性反応の有無を確認します。しかし、甲状腺ホルモン値はバセドウ病とも重複するため、血液検査だけで判断することはできません。そのため、ラジオアイアンソープを使用して放射性ヨードの接種率を測定する検査方法を行う場合もあります。この検査は放射性ヨードを摂取した24時間後に行います。

主な治療方法

甲状腺クリーゼの治療法は、薬を使って甲状腺ホルモンの合成防止にはじまり、次に血液中の甲状腺ホルモンを下げます。また、循環不全への対応や、甲状腺ホルモンのT4からT3への変換抑制にも薬を使います。ただし、発熱時にアスピリンは使いません。FT4を3-7日ごとに測定し、正常化すればヨード剤を止めて様子を見ながら次のステップを考慮します。