解離性健忘

初診に適した診療科目

解離性健忘はどんな病気?

解離性健忘は精神疾患の一つであり、解離性障害の一種です。過去の記憶を失う症状であり、過去の記憶の一部を失うというケースが多いです。この症状により社会生活を営む上で支障を来すこともあります。
また、過去の記憶をすべて失ってしまう場合もあり、記憶を失った人間が行方不明になり、他の場所で別の人間としての生活を始めてしまうこともあります。これを解離性とん走と呼びます。

主な症状

解離性健忘で起こる症状は、昔の出来事を忘れる事ですが、単なる物忘れとは違い、忘れる内容が精神的ショックや心に傷を負ったもの、強いストレスを受けたもので自分にとって思い出すとつらい内容がほとんどです。
忘れる範囲は記憶の一部分だけの場合やその出来事全てであったり、ひどい時は生活全てを忘れる例もあります。また、これらは忘れた内容に近い事があった時にフラッシュバックで突然思い出す事があります。

主な原因

解離性健忘は暴行の被害に遭遇したことや戦争体験などの過大なストレスを受けたことなどを原因として、その体験を忘れてしまいたいあるいは思い出さないようにすることで心理的な負担を軽減させる作用が過度に進行した精神的な障害です。
この症状は一般的に子供や青年期などの若年層に発症しやすいといわれており、その時期に受けた悪い体験を忘れようとする自己防衛反応の一種です。

主な検査と診断

解離性健忘の診断を行う際には、いくつかの検査方法が組み合わされることになります。まずはじめに、面接などをはじめとした基本的ないくつかの検査により、健忘そのものが見受けられるかどうかを確認します。
それによって健忘が確かに見受けられる場合は、その健忘の種類が解離性と判定されるかどうかを、さらに特異的な心理検査等によって確認することになります。

主な治療方法

一般的に用いられる解離性健忘の治療法には、健忘した記憶の内容を想起させる方法があります。
夢で見たこと、自由連想法で思いついたことなど、健忘した記憶に関係したものを何でも記録するようにする方法です。このとき、気をつけなければいけないのは患者の記憶の曖昧さです。
正しく想起したと思った内容が当時からかなり変容してしまっていることも考えられるので、別の人によって記憶の内容を裏付けてもらう必要があります。