ポルフィリン症 ポルフィリンショウ

初診に適した診療科目

ポルフィリン症はどんな病気?

ポルフィリン症とは、ヘモグロビンをつくる物質を合成する回路に異常がある状態のことです。先天性なものと、後天性のものがあり、先天性のものは、生後数ヶ月から2歳で発病し、尿がピンク色になり色素の沈着が生じることもあります。後天性のものは、飲酒などが原因で、皮膚に水泡が生じます。対策としては、禁酒、遮光が必要で、薬が原因であればその薬をやめることです。

主な症状

ポルフィリン症の症状は、急性の場合は発症して初期の段階で腹痛、急性神経障害、吐き気、癇癪、鬱病、不安、偏執症などの精神障害など神経系に影響を与えます。皮膚症の場合は皮膚に露光部の紅斑、水疱、膿疱、潰瘍、鼻の欠損、瘢痕性脱毛、眼瞼外反がみられます。手指の皮膚の萎縮、拘縮、断指も起こり、発毛の増大も起きます。ウッド灯の光をを当てると蛍光赤色を示すのも特徴です。

主な原因

ポルフィリン症の原因は、ヘモグロビンを造るヘムという物質の合成酵素の異常で起こります。ヘモグロビンがうまく合成できず、ヘモグロビンになれないで発生する物質を、ポルフィリンといいます。その物質が皮膚に蓄積していきます。ポルフィリンは、皮膚から紫外線を吸収すると化学変化によって毒素に変わり、肝臓にたまって肝臓を悪くします。

主な検査と診断

ポルフィリン症の検査方法は、血液検査、尿検査、便検査によって行われます。それぞれの検査でポルフィリンの量がどの程度増加しているのかを判定します。この病気には3タイプの種類がありますが、2タイプでは全検査でのポルフィリンの量が増加しています。残る1タイプでは便のポルフィリンの量は増加しません。また、皮膚組織や貧血の検査も行われます。

主な治療方法

ポルフィリン症の治療は大変難しく、治療法として用いられるのは、対症療法のみであるのが現状です。有効な方法の一つに、遮光(光をさえぎること)があります。また、溶血性貧血がある場合には、脾臓の摘出が行われます。このように、本疾患は一度発症すると、治療そのものが難しいため、万一気付いた場合には、早期に皮膚科を受診し、いち早く対処することが望まれます。