腎性貧血はどんな病気?

腎性貧血とは、肝臓の機能が低下することによって引き起こされる貧血です。腎臓は人体に不必要なものを濾過し体外に排出する働きがありますが、その他にも赤血球を作る出すために必要なホルモンを分泌するという働きもあります。しかし、腎臓の機能が低下するとホルモンの分泌が上手くいかなくなります。その結果、赤血球が造りだされずに貧血となってしまうのです。

腎性貧血の主な症状は?

腎性貧血の症状は、通常の貧血(所謂「鉄欠乏性貧血」)と同様で、疲れ、動悸、息切れ、めまいなどです。また、血中の赤血球が減少しているため、貧血時は血中の酸素濃度が低下しています。そのため貧血状態では心臓に負担もかかっています。しかしながら、鉄欠乏性貧血とは原因が異なるため、鉄を補給しても状態が改善されないので、注意が必要です。

腎性貧血の主な原因は?

赤血球を生成する働きがあるホルモンであるエリストボエチンを腎臓で分泌しています。腎臓が弱ったり、腎臓病になったりすると、腎臓の機能が低下してエリストボエチンが分泌されにくくなってしまいます。すると赤血球がうまく分泌されなくなってしまうため、腎性貧血になってしまうのです。通常の貧血と同様に鉄不足も大きな原因になってしまいます。

腎性貧血の主な検査と診断方法は?

「腎性貧血」の検査方法は主に血液検査です。ヘマトクリット値・血色素量・赤血球数・鉄・フェリチン(貯蔵鉄)・出血凝固時間・MCV(平均赤血球容積)などの値を調べます。また、エリスロポエチンの投与でも貧血が改善されない場合、ビタミンB12・葉酸の検査が行われます。また、心雑音・心肥大の有無・眼瞼粘膜や爪の蒼白感も調べます。

腎性貧血の主な治療方法は?

腎性貧血の治療法の基本は、薬物投与と食事療法が中心になります。治療の際に投与される薬剤は、エリスロポエチンの分泌の不足を補うために、赤血球造血刺激因子製剤になり、鉄剤の投与も行われます。最近では、これまでの赤血球造血刺激因子製剤よりも、投与の回数が少なくて済む新薬が開発されたことにより、患者さんの負担の軽減につながっています。