今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 美容と長寿!沖縄のパワー野菜「ボタンボウフウ」とは? 』をご紹介させて頂きます。
食べると「1日長生きする」野菜
「ボタンボウフウ(牡丹防風)」は、もともとは沖縄県の与那国島に自生するセリ科の植物です。「1株食べると、1日長生きする(地域によっては、葉を1枚食べると3年長生きする)」と言い伝えられることから、「長命草」とも呼ばれる多年草です。長命草は、沖縄ではチョーミーグサと発音するそうです。
地元では「サクナ」と呼ばれることが多いポピュラーな島野菜です。セリ特有のさわやかな香りとほろ苦さが楽しめる野菜で、天ぷら(かき揚げ)や白和え、サラダに加えたりお刺身に添えたり、日常的に食卓で食べられています。
近年では、沖縄本島の畑で栽培され、生産量はこの10年で約10倍に増加し、スーパーマーケットなどでよく見かけるようになっています。沖縄県は、「ボタンボウフウ(長命草)」を伝統的農産物に指定しています。
500年以上食べられる「伝統的」なスーパーフード
「ボタンボウフウ」は、
(1)ビタミン
(2)ミネラル
(3)食物繊維
(4)ポリフェノール
が豊富に含まれ、長寿の県として知られる沖縄では、500年以上前から食べられている伝統的なスーパーフードです。海沿いの岩場で、南国の強い紫外線や潮風にさらされ、そしてきれいな海水を浴びながら自生する「ボタンボウフウ」の生命力の強さが、そのまま高い栄養価につながっているのかもしれません。
地元での活用は、食べるだけでなく、民間療法では、大きな葉っぱを煎じて、風邪、咳、便秘、冷え、むくみなどの薬としても使われています。また、子どもの成長を願う儀式、健康長寿を祝う儀式、さらに五穀豊穣や航海の安全を祈祷する神事にも用いるといいます。古くから地域の生活や文化に根づいていることがよくわかります。
栄養バランスは、青汁原料の「ケール以上」
ボタンボウフウには、ビタミンやミネラルなどの健康成分が豊富に含まれています。おもな成分は、
(1)ビタミンA
(2)ビタミンB2
(3)ビタミンB6
(4)鉄分
(5)カルシウム
(6)マグネシウム
(7)βカロチン
(8)食物繊維
が挙げられます。
なかでも、肌の健康を保つビタミンAはカボチャの約1.6倍、赤血球をつくる鉄分はプルーンの約6倍、歯や骨の主成分であるカルシウムは牛乳の約4倍、コレステロールを下げる食物繊維はキャベツの約5倍、といった高い栄養価がスーパーフードといわれる理由です。
そして、これらの成分がバランスよく含まれているのが特徴です。栄養バランスのよさは、青汁の材料として知られる野菜「ケール」や、緑黄色野菜の王様「ほうれん草」をしのぐほどです。
体が「サビるのを防ぐ」ポリフェノールが豊富
ボタンボウフウには、南国の強い紫外線から自らを守るため、「クロロゲン酸類」や「ルチン」などのポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは、植物が自分のからだを活性酸素から守るために作りだす成分です。
赤ワインに含まれる「レスベラトロール」、お茶に含まれる「カテキン」、そばの「ルチン」、大豆の「イソフラボン」などもポリフェノールの一種です。ポリフェノールは、細胞をサビさせる(酸化させる)「活性酸素」から体を守る働きがあります。抗酸化作用と呼ばれる効果です。
美肌効果など「アンチエンジング」にも
「活性酸素」は紫外線の浴びすぎやストレスによって体内に増える物質です。増えすぎると、がん、動脈硬化、高血圧、糖尿病、神経痛、喘息などにつながる心配があります。また、老化の原因といわれている物質でもあります。
ボタンボウフウは、ポリフェノールを多く含んでいるため、定期的に摂取することで、体内に強い抗酸化作用が働き、がんや生活習慣病を予防します。そして、血液をサラサラにする作用もあるため、むくみの改善、肥満予防にも効果がみられるでしょう。さらに、肌のシワやたるみを改善する美肌回復など、アンチエイジングといった美容効果も期待できます。
ボタンボウフウを天ぷらなどにして食べるほかに、最近ではスムージーにして飲む人も多いようです。タブレットやパウダーなど健康食品からボタンボウフウの成分を摂り入れる人も増えています。試してみてもよいでしょう。