今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 40歳以上の半数が持つ「大腸ポリープ」の種類や症状 』をご紹介させて頂きます。

大腸の「粘膜にできる」腫瘍

「大腸」は、小腸から続く、食べ物の通り道になる消化器官です。右下腹部から始まって、お腹を時計回りに進んで肛門に続きます。その長さは、約1m30cm〜2mといわれています。小腸で栄養吸収を終えた食べ物から、水分を吸収して便をつくる役割を担っています。

大腸の管の内側は「粘膜」でできています。「大腸ポリープ」は、この粘膜の細胞が盛り上がってできる「腫瘍(できもの)」です。腫瘍は、丸いイボ状のものが多く、一般的に良性とされています。しかし、腫瘍が5mm以上に成長すると「大腸がん」につながる危険性があります。

自覚症状が「ない」のが特徴

大腸ポリープは、大腸の肛門に近い「直腸」と「S状結腸」に発生する率が高いとされています。この2つの部分には、便が滞留し、粘膜が日常的に刺激を受けることから、ポリープが発生しやすいと考えられています。女性よりも男性に多く発症する病気です。そして、家族など身内に大腸ポリープを経験していると発症率がやや高い傾向が報告されています。

大腸ポリープは、発生しても、体の不調や異変などの自覚症状がみられないのが特徴です。特に初期のポリープが小さなうちは、無症状であることが多いでしょう。それは、大腸の粘膜には知覚神経がなく、痛みなど症状を感じることがないからです。そのため、患者のほとんどは、健康診断、人間ドック、がん検診によってポリープが発見されています。

「大腸がん」になりやすい種類は?

大腸ポリープは、組織構造によって、大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」の2つに分類されています。腫瘍性ポリープは、さらに
(1)線腫(腫瘍性ポリープ)
(2)家族性大腸ポリポーシス
に分けられます。大腸ポリープの約80%は「線腫」と呼ばれる種類のポリープです。

<線腫>
線腫は、基本的に良性の腫瘍ですが、そのうち約10%は悪性としてがん化する恐れのあるポリープです。ポリープの大きさが10mmを超えると大腸がんへのリスクが高くなります。大きさが20mmなら約50%の確率で大腸がんに進行するといわれています。過度な飲酒、喫煙、動物性脂肪の過剰摂取、肥満、運動不足が原因に挙げられます。

<家族性大腸ポリポーシス>
大腸にたくさんのポリープが発生する病気です。100個以上のポリープがあらわれると、「ポリポーシス」という名前に変わります。家族性大腸ポリポーシスは、遺伝子の変異による遺伝が原因であることが分かっています。

がんの「心配は少ない」種類とは?

一方、「非腫瘍性ポリープ」は、がんに発展する恐れのないポリープです。代表的なものには
(1)炎症性ポリープ
(2)過形成性ポリープ
(3)過誤腫性ポリープ
といった種類が挙げられます。

<炎症性ポリープ>
潰瘍性大腸炎やクローン病など、大腸に起きた炎症が原因で発生するポリープです。がん化する心配はありません。
<過形成性ポリープ>
S状結腸の粘膜が盛り上がった状態のポリープです。老化現象が原因とされています。がんに進行する心配はほとんどありません。
<過誤腫性ポリープ>
「若年性ポリープ」とも呼ばれ、子どもや若い人の直腸やS状結腸にできる良性のポリープが多く見られます。下血や血便の症状が見られることがあります。

大きさが5mm以上なら「切除」する

大腸ポリープの存在が明らかになったら、大腸がんになるリスクを減らすための治療が行われます。大腸ポリープの大きさが、5mm以上であれば「切除」が必要です。5mm未満であれば、経過を観察することになるのが一般です。

大腸ポリープの切除(あるいは剥離)には、「内視鏡」が使われます。がん化したポリープでも内視鏡で治療できることもあります。しかしポリープが悪性の場合は、外科手術が検討されるでしょう。

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