今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 「ターメリック」の効果や効能について 』をご紹介させて頂きます。

昔から「健康によい」スパイス

「ターメリック」は、カレーなどインド料理に欠かせないスパイスの一種です。鮮やかな黄色と独特な風味が特徴で、インドや東南アジアではとてもポピュラーな香辛料として知られています。調味料としてだけでなく、昔から、医薬品、化粧品、染料、防虫剤、抗菌効果など幅広く活用されています。

インドで約8000年の歴史を持つ伝承医学「アーユルヴェーダ」でも、ターメリックは予防医学の効果が高いとして、古くから摂取がすすめられてきました。中国では「漢方薬」の材料として利用されています。そのような経緯もあり、ターメリックは、別名「命のスパイス」とも呼ばれています。

「ターメック」と「ウコン」の違い?

ターメリックは、日本では「ウコン」と呼ばれることがありますが、厳密にいうと正しい表現ではありません。ウコンはショウガの仲間ですが、その種類はたいへんに多く、世界には数百種類のウコンが存在するともいわれています。

しかしそのなかでも、大きく
(1)春ウコン
(2)秋ウコン
(3)紫ウコン
に分類することができます。「春ウコン」は、腸の働きをよくし、「秋ウコン」は肝臓機能を改善させ、「紫ウコン」は血行促進の効果があるといわれています。そして、ターメリックとは「秋ウコン」にあたります。

肝臓機能の「改善」と「回復」

ターメリックの効果として、まず挙げられるのは「肝機能の向上」です。忘年会シーズンに活躍する二日酔い予防のドリンク剤にも、秋ウコンエキスが配合されていることでわかるとおり、ターメリックを適量摂取すると、肝臓が刺激され、消化液の分泌が促進されて、胃のむかつきや二日酔いの症状を軽減させる効果があります。

肝臓には、摂取した食べ物・飲み物から有害な物質を解毒する働きがあります。ターメリックはこの解毒作用を高める力があり、特にアルコールを分解し、肝臓への負担を軽くするには、もっとも適した成分の1つといえるでしょう。

また、「胆汁の分泌」が促進されることで、脂肪の乳化とたんぱく質の分解を助けることにつながります。すると、脂肪が腸で吸収されやすくなり、余分なコレステロールが効率よく体外に排出されることになります。

これは、糖尿病、肥満症、高血圧症など「生活習慣病」の予防策になります。ただし、肝臓の機能が低下している人は、ターメリックを含めたウコン全般の摂取を控えたほうがよいでしょう。かえって、肝臓に負担がかかってしまうからです。

ターメリックの主成分「クルクミン」の効果

ターメリックの効果は、肝臓の改善や回復のほかにも、
(1)抗菌作用
(2)鎮痛作用
(3)血圧降下作用
(4)子宮収縮作用
(5)抗腫瘍作用
(6)食欲増進作用
などが挙げられます。これらの効果を支えているのは、「クルクミン」と呼ばれるターメリックの主成分です。

クルクミンは、酸化に対抗する物質「ポリフェノール」の一種です。肝機能の向上以外にも、老化防止や抗がん作用にも影響があるとされる物質です。クルクミンはウコンのなかでも秋ウコンに多く含まれます。

クルクミンは、紫ウコンには含まれておらず、春ウコンでも約0.3%と少量です。一方、秋ウコンには、約3.6%と豊富に含まれています。クルクミンは、糖尿病やアルツハイマーの予防や治療にも効果があるとして、さまざまな機関で現在も研究が進められています。

お料理に、ラテに、足湯にも!

ターメリックの日常的な摂取には、サプリメントという手段がありますが、できればお料理などに使って楽しむことをおすすめします。ターメリックは、日本では粉末の香辛料として、スーパーマーケットなどで手軽に購入できます。

インド料理でわかるように、ターメリックは、鶏肉料理、豆料理、エビや野菜の炒め物などとの相性は抜群です。少量加えるだけでも、食欲をそそる風味が、お料理を引き立てます。さらにそこへ黒コショウを加えると、クルクミンの体への吸収率が向上します。おすすめは、たっぷりの野菜、鶏肉、春雨を入れたスープにターメリックを加えた「ソトアヤム風スープ」です。

お食事以外では、ホットミルクに、ターメリックとショウガ、さらにシナモンを加えた「スパイスラテ」も体がポカポカ温まり、これからの季節にぴったりでしょう。また、足湯にターメリックを少量加えることで、血行をよくして体の保温効果をアップさせる健康法も話題です。特に冷えを感じやすい女性にはおすすめです。寒い季節の到来をまえに、ターメリックで健康アップを試してみてはいかがでしょう。

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