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今回は『知ってる?「インフルエンザ」と「風邪」の違い!』をご紹介させて頂きます。
「インフルエンザのピーク」時期
インフルエンザは、日本では、毎年だいたい寒さが厳しくなる11月下旬から発生し、年末頃に1回目のピークを迎えます。そして、翌年の1〜3月に2回目のピークがやって来ます。幼稚園、保育園、学校、職場、施設などで、集団感染が起こるのは、この時期が多いとされています。

インフルエンザの猛威が落ち着くのは、4〜5月に入ってからです。しかし、3月に入ると気候は暖かくなり、だいぶ過ごしやすくなることで、インフルエンザの心配から解放されたような気になることでしょう。ですが、実はまだインフルエンザのピーク時期であることを忘れてはいけません。油断せずに、十分な予防と体調管理がまだまだ必要です。
毎年「世界で300万人」がかかる感染症
インフルエンザは、1900年頃から、毎年のように世界で流行する気道や呼吸器の感染症です。インフルエンザ・ウイルスが体に入り込み、のどや肺などで増殖することで発症します。そのウイルスは、大きく「A型」、「B型」、「C型」の3つに分類されます。そして、3つの区分から、さらに種類が分かれます。現在確認されているだけでも、A型は144種類、B型は2種類、C型は1種類が存在しています。
毎年流行を繰り返すのは、A型とB型です。特にA型の「A/H1N1型(ソ連型)」と「A/H3N2型(香港型)」は症状が激しく、毎年、世界中で約300万人以上が感染し、そのうちの約25〜50万人が亡くなっているといわれています。
厚生労働省の調べによると、最近の日本では、2003年のインフルエンザ大流行によって、1818人が亡くなっています。それ以外の年でも、毎年200人以上が亡くなるほど恐ろしい病気です。
インフルエンザは「夏でも」感染する
以前なら、「風邪は1年を通して見られ、インフルエンザは季節性がある」といわれてきましたが、近年では、6〜8月の暑い季節でも、インフルエンザにかかる人が増えています。夏風邪と思ったら、やがて学校や施設で集団感染したケースもあるくらいです。特に子どもや高齢者は、季節の変わり目や気温の変化は、体調を崩しやすく、免疫力が低下してウイルスの感染が心配な状況といえます。

インフルエンザの感染は、風邪と似た症状があらわれるため、風邪と勘違いして対応が遅れることも少なくありません。初期対応が遅れると、重症化することがあります。自分を含めた家族の様子を観察して、十分な注意が必要です。まずは、風邪とインフルエンザの違いを知って、適切な対応をとることが大事です。
インフルエンザは「空気感染」が怖い
普通の風邪も、ロタウイルス、ライノウイルス、RSウイルス、などウイルスによる感染で発症します。しかし、インフルエンザ・ウイルスと比較してみると、感染経路、感染力、症状の範囲や程度などにかなりの違いがあります。
一般的な風邪では、ウイルスが付着した唾液などに触れた手で、食べ物をつかんだり、口や鼻に触れたりする「接触感染」が経路として挙げられます。乳幼児では、おもちゃを口に運ぶ行為によって、感染することがよくあります。
インフルエンザでは、「接触感染」に加えて「空気感染(飛沫核感染)」が起こるのが特徴です。インフルエンザ感染者の咳やくしゃみによって、ウイルスが空気中に飛散し、それを吸ったことで感染します。集団感染が起こりやすいのはそのためです。
「高熱」と「全身症状」なら、すぐに病院へ
普通の風邪とインフルエンザでは、初期症状は似ています。のど・気管支・肺に炎症がみられ、
(1)咳
(2)くしゃみ
(3)鼻水
(4)のどの痛み
(5)痰
といった症状が起こります。風邪の場合は、発熱は38度以下におさまることが多いでしょう。
一方、インフルエンザの症状には、風邪と比較した場合に次のような特徴があります。

・急激な発症
・38度以上の高熱
・全身症状
インフルエンザは、約2日の潜伏期間から、いきなり悪寒、喉の痛み、全身の倦怠感が起こり、その後すぐに38度以上の高熱が見られます。それに合わせて、関節や筋肉の痛み、鼻水、吐き気、下痢、お腹の痛みが伴うことがあります。症状の出方が「風邪よりも速い」ことを覚えておきましょう。
インフルエンザで怖いのは「合併症」です。インフルエンザから肺炎を併発して、死亡するケースがあります。乳幼児と高齢者は特に注意が必要です。とにかく「高熱」と「全身症状」があらわれたら、すみやかに近くの医療機関を受診します。