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今回は『湯たんぽ、ホットカーペットが危ない「低温やけど」に注意して!』をご紹介させて頂きます。

低温やけどは「軽症」ではない!

やけどは、医療用語では「熱傷」と呼ばれる外傷です。多くの場合、熱湯・蒸気・油など、高温熱源に触れることで起こる皮膚の損傷をいうでしょう。しかし、なかには、体温より少し高めの温度による熱傷(やけど)があります。「低温やけど」と呼ばれるケガです。

低温やけどは、見た目で分かりにくい、痛みを感じにくい、といった特徴から、
(1)気づきにくい
(2)軽症と判断しやすい
(3)放置して重症化することがある
といった問題が起こる恐れがあります。いざというときのために、低温やけどについて、知識を持っておくことが大事です。

湯たんぽ、カイロ、ホットカーペットが危ない

人が温かく心地よいと感じる約44~50℃の温度でも、長い時間にわたってあたる(あるいは触れる)と、皮膚に「低温やけど」が起こります。現在では、カイロ(使い捨てを含む)、湯たんぽ、電気あんか、電気毛布、ホットカーペット、こたつ、ファンヒーターなどの暖房器具や暖房グッズによる低温やけどの事故が、年々増えています。昨年(2017年)12月より、消費者庁でも、湯たんぽによる低温やけどに対する注意を強く呼びかけています。

低温やけどは、
(1)かかと
(2)くるぶし
(3)すね、
(4)ひたい
に起こることが多いと外傷です。一般的な高温熱源のやけどであれば、熱いと感じたときに手を引っ込めるなど、瞬時に体を守る動作をするものですが、低温やけどの場合は、症状に痛みがほとんどないため、時間の経過とともに、深いやけどに進行することがよくあります。1週間後に、痛みがあらわれて、やがて皮膚が壊死するといったケースもあるくらいです。

低温やけどは「30分でも」起こる

やけどは、「熱さ × 時間」で発症します。一般的なやけどの場合、70℃の熱源であれば約1秒でやけどが起こります。低温やけどの場合は、熱源が44℃では3~4時間、46℃では30〜60分、50℃では2~3分で発症するといわれています。

44〜46℃といえば、少し熱めのお風呂の温度です。寒い日や疲れているときなどは、心地よいと感じる温度です。しかし、そのくらいの熱さでも、皮膚が触れている時間が長ければ、低温やけどにかかる恐れがあるのです。

気がつくと、
(1)皮膚が赤く腫れている
(2)水ぶくれができる
といった症状が見られたら、低温やけどの可能性が高いでしょう。一見すると、軽症のように感じますが、実は皮下組織が壊れているほどに「深いやけど」をおっているケースはよくあります。その場合、損傷は深い層にまで届いているため、患部の冷却を行っても、あまり効果はありません。

低温やけど「3つ」の予防策

低温やけどは、自覚症状を伴うことが少ないため、特に乳幼児や高齢者などは湯たんぽ、カイロ、ホットカーペットなどの長時間利用は控えることが大事です。また、疲労が溜まっているときや、お酒を飲んだあとは、こたつの中やホットカーペットの上で、つい眠り込んでしまうことがあります。眠ってしまうと、熱さに対しての反応が鈍くなります。十分な注意が必要でしょう。次の3つを守って、低温やけどを防止しましょう。

(1)熱源を直接、肌にあてない
(2)熱源を長い時間、同じ箇所にあてない
(3)湯たんぽなどを、就寝時に使用しない

わずかでも、皮膚に赤み、腫れ、痛みを感じたり、水ぶくれがあらわれたりするようなら、すみやかに「形成外科」や「皮膚科」を受診しましょう。自己判断で、水ぶくれをつぶす、市販のやけどの薬を塗るのは控えましょう。

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