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今回は『子どもがなりやすい「地図状舌」って?』をご紹介させて頂きます。

舌にできた「まだら模様」は?

地図状舌は、舌の表面に「白いふちの赤い斑紋(まだら模様 )」があらわれる病気です。医学的には「良性移動性舌炎」と呼ばれる病気です。移動性という言葉どおり、斑紋は、さまざまな大きさと形で、舌全体に広がりを見せます。その様子が、まるで地図のように見えることから「地図状舌」という名前がつけられています。

地図状の斑紋は、大きくなったり、小さくなったり、位置が変わったりなど、日ごとに変化するのが特徴です。健康な人の舌の表面は、4種類ある「舌乳頭」に被われています。舌乳頭は、ざらざらした小さな突起です。舌をザラザラにすることで、舌の感覚を鋭くし、また、食物を摂りやすくする作用もあります。

地図状舌は、舌乳頭が部分的に消えて、突起のない舌の上にへこみ(陥凹)が発症した状態です。へこみは拡大して、隣同士が合わさったり、また部分的に回復したりをくり返すことで、斑紋がまるで移動しているように見えるのです。

幼児の「約15%」がかかる病気

地図状舌は、およそ1〜6歳までの子どもの「約15%」に見られる症状です。大人では、100人に1人か2人程度の割合で発症し、そのほとんどが若い女性といわれています。ほとんどの子(人)には、不快感や違和感はあるものの、痛みなどのつらい症状はなく、自覚症状はまずありません。

異変のはじまりは、舌の表面に「白い斑点」があらわれることから起こります。やがて、その斑点がはがれると、続いて「赤いまだら模様」に変化します。斑紋が発生することで、会話や食事に大きな影響が及ぶことはないでしょう。

ただし、なかには時々、舌の表面に
(1)熱さを感じる
(2)ヒリヒリする
といった症状があらわれることがあります。特に、辛い食べ物、酸味のある柑橘類、熱い飲み物や食べ物、塩分の多い食べ物、その他刺激の強いものは、摂取すると沁みることがあるため、控えたほうがよいでしょう。

風邪のときは気をつけて!

地図状舌が発症する原因については、今のところ詳しいメカニズムは明らかになっていません。病理学的な見方では、微生物による影響と考えられているようです。さらには
(1)ストレスや睡眠不足からくる自律神経の乱れ
(2)疲労や風邪などによる免疫機能の低下
(3)ビタミンB6やB2の不足
(4)ミネラルの不足
(5)金属アレルギー
などが、おもな原因として挙げられています。

大人であれば、煙草やアルコールの過度な摂取によって、舌の表面に局所的な刺激が与えられ続けたことが関係している、とする考えもあるようです。いずれにしても、実際、かぜ・気管支炎・鼻炎などを患った体調不良の状態では、地図状舌が起こりやすいことが分かっています。

ほとんどは、数日で自然に治る

ほとんどの子どもは(大人も)、数日から数週間での「自然治癒」が期待できます。風邪などをひいていて、抵抗力が弱くなっているときは、さらに日数を要することもあるでしょうが、自然に治るケースがほとんどです。

念のため、小児科・口腔外科・歯科医院・耳鼻咽喉科を受診し、専門医に相談しましょう。ただし、原因がはっきりしていないため、有効な治療法は特定されていません。基本的には、 特段の治療が必要ないと判断されて、経過観察になるでしょう。

痛みなどの症状が頻繁に見られるときは、鎮痛薬などを使った薬物療法による対処が行われます。また、症状によっては、殺菌効果のあるうがい薬を処方されることがあります。体調を万全にすることが望まれるため、
(1)しっかり休養をとること
(2)早寝早起きなどの規則正しい生活を送ること
(3)栄養を考えた食生活に改善すること
などの指導が伝えられます。

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