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今回は『「老眼」の仕組み。近眼は老眼になると治るの?』をご紹介させて頂きます。
45歳を越えたあたりから
老眼は、年齢とともに発生する視力低下の症状です。眼科では「老視」といわれています。45歳前後からはじまり、老化現象の1つとの見方があります。
45歳を越えて、新聞、本、スマートフォンなど、
(1)近くにある文字が読みづらい
(2)ピントが合わない
(3)薄暗いと見えにくい
(4)遠くに離すと見えやすい
と感じたら、老眼の可能性が高いでしょう。他にも、次のような症状が挙げられます。
・目の疲れ
・目のかすみ
・肩こり
・頭痛
・吐き気
加齢で、ピントの「調整力」が低下する
人間の目は、オートフォーカスカメラと同じように、近くと見ようとするとき、遠くを見ようとするとき、水晶体(レンズ)が自動的にピントを合わせようとします。近くを見るときは、水晶体(レンズ)を厚くして近くにピントを調整します。これには「毛様体筋」と呼ばれる筋肉を使った動きと、「水晶体の弾力性」が必要です。
ピントを調節する機能は、加齢とともに低下します。45歳を過ぎた頃から、新聞や本を見ようとしてもピントが合うのに時間がかかるのは、加齢による調整力の低下です。目の「調整異常」と呼ばれる症状です。
遠視と老眼は同じ?
遠くは見えるけど近くが見えづらい、という現象は、遠視と同じ症状です。しかし、「遠視」と「老眼」は違います。
遠視は、眼球が短く変形したことで、角膜から網膜までの距離(眼軸長)が短すぎることで、網膜にピントが合わなくなります(網膜の後ろでピントが合ってしまう)。「屈折異常」といわれる症状です。
一方、老眼は、肉体的な老化現象が原因です。年齢を重ねることからくる、心身の退行的な変化で、記憶力や聴力が衰えることと同じです。水晶体の弾力性が弱くなったことで、水晶体を厚くすることができなくなり、ピントの「調整異常」が起こっています。
遠視と老眼は、網膜の後ろでピントが合ってしまう現象は同じですが、原因が大きく異なります。
近視が治るは「ただの噂」
老眼は、近くが見えづらいという現象が起こることから、遠視と勘違いする人が多いようです。遠視は「近くが見えづらく、遠くはよく見える」ことから、近視の人が老眼になると「遠くが見えるようになる」と思うようですが、そのようなことはありません。ただの噂話でしょう。
先にも述べたように、遠視と老眼は原因がまったく違うため、近視の人が老眼になったときは、「近視 + 老眼」の症状を持つことになります。
近視も遠視も、原因は眼球の変形です。近視は眼球が長くなったため、遠視は眼球が短くなったことで、外からの光に対して屈折異常が起こり、網膜に正しくピントが合わせられなくなっています。したがって、眼球の変形を治さない限り、近視が改善することはありません。