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今回は『手のひらが赤い!「手掌紅斑」とは?』をご紹介させて頂きます。

手のひらの「外周だけ」が赤い

気がつくと、手のひらが不自然に赤い。それも、親指の付け根の膨らみ(母指球)や、小指の付け根の膨らんだところ(子指球)が斑状に赤く(あるいは赤紫色)になる様子が見られたら、「手掌紅斑」という症状かもしれません。

手のひら全体が赤くなることはほとんどありません。赤みは手のひらの外周部分にあらわれ、そのため中心部分は白っぽく見えるのが手掌紅斑の特徴です。赤い斑点を圧迫すると赤みは一時消えますが、すぐに戻ります。痛みや痒みはなく、赤い斑点以外の自覚症状はありません。

いちばんは「肝臓の病気」が考えられる

手掌紅斑は、手のひらの周辺部の血管の拡張によるもので、肝臓病の初期症状として知られています。「肝機能の低下」や、慢性肝炎や肝硬変など「肝機能障害」のあらわれと多くは考えられます。

肝臓の機能に問題があるときは、首や上腕などにクモの巣状の毛細血管が浮き出る「クモ状血管拡張」という症状をともない、また食欲不振や倦怠感を感じることがあります。

女性は「妊娠」で起こることも

女性の場合は、妊婦による女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増加することで、手掌紅斑があらわれることがあります。他には、性別に関わらず、
(1)慢性関節リウマチ
(2)白血病
(3)自己免疫異常
(4)糖尿病
(5)感染症
(6)アレルギー性皮膚疾患
でも「手掌紅斑」が確認されることもあります。

さまざまな要因が考えられることから、手のひらの外周の赤い斑点だけで原因を見極めることは難しいものです。早めに内科できちんと血液検査を受けるのがよいでしょう。肝臓病の疑いがあるときは、超音波検査(エコー検査)を行うことになるでしょう。

「女性ホルモンの増加」が原因

手掌紅斑の原因は、血中に含まれる「エストロゲン」の増加です。エストロゲンは女性ホルモンの一種で、卵胞ホルモンとも呼ばれます。エストロゲンは、女性の成長期には乳腺や骨盤を発達させ、女性らしい肌や体つきを作り、やがて妊娠や出産に備えるため、月経を中心に周期的な増減をくり返しながら体のバランスを保つ働きがあります。

そして、「血管の収縮を制御する」のもエストロゲンの重要な働きです。女性ホルモンですが、男性にも分泌されます。肝臓は、胆汁を作り消化を助ける、栄養素を蓄えるなどの他に、「体内のホルモンバランスを保つ」働きがあります。

肝臓の機能が低下すると、エストロゲンの処理ができなくなり、血液中のエストロゲンが増え、血管の収縮が制御できなくなり、毛細血管が拡張して起ると考えられています。それが、手のひらに斑点となってあらわれるのが「手掌紅斑」です。

すぐにでも「検査」を受けましょう!

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、機能の低下や障害があっても、自覚症状がほとんどみられません。そのため、定期検査などで異常が見つかったときは、肝硬変などがすでに進行しているケースが多く見られます。

手掌紅斑は、多くの人の場合、「肝機能障害」か「妊娠」が原因といわれています。手掌紅斑は、痛みやかゆみなど不具合がないため「しばらく様子をみよう」という自己判断をついしがちです。自分の体をいたわり、できるだけ早く検査を受けましょう。

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