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今回は『二の腕のブツブツ、「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」とは?』をご紹介させて頂きます。

痛みも痒みのない「ブツブツ」

見た目がニキビに似ている「二の腕のブツブツ」は、肩から二の腕の外側だけでなく、太ももの内側にもできやすく、それは「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」と呼ばれる皮膚疾患です。

毛穴がつまって直径約2~3mmの赤い盛り上がりが見られ、触るとぶつぶつ・ザラザラしています。人によっては、わずかな痒みを感じることがあります。思春期をすぎたあたりから出はじめます。

「ニキビかしら」と思っていると、赤かったブツブツは、やがて色素沈着を起こして茶色く目立つことがあり、「二の腕を露出するのが恥ずかしい」と悩む女性が多くいます。ニキビはできる範囲がバラバラですが、毛孔性苔癬は、ある程度密集してできる小さなプツプツで、鳥肌やサメ肌のように見えるのが特徴です。痒みがほとんどないのは、ニキビのように菌による炎症ではないためです。

乾燥肌、敏感肌の人はできやすい

皮膚の一番外側にある角質細胞が生まれれてから剥がれ落ちるまでの過程を「角化」と言います。角化は、新陳代謝によって一定のサイクルで行われますが、毛孔性苔癬は、毛穴の出口周辺で、剥がれ落ちるはずの角質がそのまま残って厚くなり、角栓(古い角質)となって毛穴をふさいでしまうことでブツブツ、ザラザラが起こります。

その発症原因はまだ明らかになっていません。皮脂腺機能の異常、ビタミンAの欠乏、遺伝的な要素などさまざまな説があります。発症年齢は10代で51%、20代で35%、30代で12%と、思春期や青年期がピークの傾向が強い疾患です。また、妊娠・出産で発症する女性がいることから、ホルモンバランスが関係しているとも言われています。

一般的には、乾燥肌、敏感肌の人ができやすく、肌のターンオーバー(皮膚細胞の生まれ変わり)が正常に働いていない人に多く見られます。

治療は、皮膚科か、美容外科へ

毛孔性苔癬を改善するには、皮膚科と美容外科で治療ができます。皮膚科では、毛穴の出口を柔らかくする「尿素配合クリーム」や、赤みを抑えるための「ヘパリン類似物質配合クリーム」などによる、塗り薬の治療をすすめられるでしょう。しかし、これらの治療は、毛穴に溜まった角質を外に出す働きはないため、効果は限定的です。

一方、美容外科では、皮膚のターンオーバーを促すピーリング、レチノイド製剤の外用、レーザー治療などの治療があり、塗り薬よりも効果は高いとされています。

<ピーリング>
皮膚の表面に薬剤を塗り、古い角質を取り除くことで、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を正常にする治療です。

<レチノイド製剤の外用>
2008年に認可された治療薬で、角質層の異常角化を防ぐ働きがあります。

<レーザー治療>
微細なレーザーを肌の深層部へ照射し、レーザーの刺激によって、ターンオーバーが活性化して新しい皮膚を生成する治療です。

これらは、いまのところ健康保険の適用はなく自由診療です。方法や費用は症状によって、かなり異なるでしょう。クリニックの医師によく相談してみましょう。

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