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今回は『オリンピックの年に大流行?』をご紹介させて頂きます。

オリンピックの年に大流行?

空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行する季節です。そしてこの季節は、4年に一度、オリンピックのような周期で肺炎があります。「マイコプラズマ肺炎」と呼ばれる呼吸器感染症です。肺炎のなかでも症状は比較的軽いといわれ、「非定型肺炎(普通とは違う肺炎)」といわれていますが、症状には個人差があるため油断はできません。

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マイコプラズマ肺炎は、2012年の秋から冬に大流行しています。これまで通り「4年に一度」の法則を考えると、今年(2016年)に流行することが予想されています。

患者の「約80%」は14歳以下

マイコプラズマ肺炎患者の約80%は、14歳以下の子供といわれています。特に6~12歳の小児のあいだで感染しやすいのが特徴です。

病原微生物である「マイコプラズマ」の飛沫感染、つまり咳で飛び散ったしぶきを吸い込んで感染は広がります。インフルエンザのように広範囲の感染はあまり見られず、保育園・幼稚園・学校など閉鎖空間で流行することがほとんどです。

潜伏期間が約2〜3週間と長いため、周囲にマイコプラズマ肺炎を発症した子供がいたら要注意です。家庭や学校では感染予防とともに、発症時に重症化しないよう、日々の子供の様子をしっかり観察することが大事です。

風邪との「区別」は難しい

マイコプラズマ肺炎は、はじめは「発熱」「全身の倦怠」「頭痛」など風邪によく似た症状を発します。そのため家庭では「ふつうの風邪」として対処しようとします。さらに、医療機関でも、聴診器による呼吸音では肺炎を疑うような音を発生しないため、風邪と区別がつきにくく正しい診断に時間がかかることもあります。

風邪に似た症状から約3日たっても次のような症状が見られるときは、マイコプラズマ肺炎の疑いがあります。内科や小児科で「血液」や「遺伝子」を採取した検査を相談してみましょう。

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・風邪薬を飲んでも熱が38度以上ある
・咳がしつこく、少しずつ強くなっている
・痰は少なく、咳は乾いている
・嘔吐や下痢の症状がある

基本的には「自然治癒できる」病気

マイコプラズマの治療では、以前はマイコプラズマに効くマクロライド系の抗生物質(エリスロマイシン、クラリス、リカマイシンなど)が使用されていました。ところが2002年あたりから、マクロライド系の薬剤に反応しないマイコプラズマ肺炎が増えています。国立感染症研究所によると、マイコプラズマのうち、約80%以上はマクロライド系の抗菌薬に耐性を持っている「耐性菌」という報告もあります。

マイコプラズマ肺炎は、一般的には「自然治癒できる」病気です。水分や栄養補給に気をつけて安静にすることが大切です。咳・鼻水・鼻づまりの症状には、それぞれにあった薬が処方されるでしょう。重症となることは少なく、熱が下がり約2〜3日でマイコプラズマ菌の量は低下します。咳は長引くことがあります。運動は控えたほうがよいでしょう。

また、マイコプラズマ肺炎は、学校保健安全法では第三種「その他の感染症」に含まれます。医師によって感染のおそれがないと認められるまでは出席停止措置が必要とされることがあります。

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