今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『ビタミンCを摂りすぎると下痢になる!?』をご紹介させて頂きます。

「健康成分といえば」の代表選手であるビタミンCですが、摂りすぎると下痢になるってご存知でしたか。また、タバコを1本吸うと、体内のビタミンCはレモン1/2個分が失われます。
「これだけでやせられる」と宣伝されているダイエット法に嘘が多いように、「これだけを摂っていれば健康になる」という健康法もNGです。ビタミンCも、闇雲に摂取するのではなく、賢く摂る必要がありそうです。
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「健康はビタミンCから」は「◎」だが…

ビタミンCが不足すると「壊血病(かいけつびょう)」という恐い病気を発症します。毛細血管が細くなり、出血しやすくなる病気です。悪化すると骨が変形して、関節が激しく痛みます。
ビタミンCはさらに、免疫機能を高めます。まだ医療保険の対象にはなっていませんが、がん患者にビタミンCを点滴で投与する医療機関も存在します。
傷の治癒を促進したり、体の酸化を防止する効果もあります。体の酸化とは「老化」のことです。ビタミンCは「若返りの薬」とも言われ、美肌効果も期待できるのです。
こうしたことから、健康を意識し始めた人が、「まずはビタミンCから」とサプリメントを買うことは、間違っていないのです。ビタミンCを多く含む野菜を果物をたくさん食べることも「正しいこと」なのです。
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肝臓との深い関係

ではなぜ下痢を起こすのでしょうか。また、「ビタミンCを摂りすぎても、おしっこと一緒に体の外に排出されるだけ」ということをご存じの方もいらっしゃるでしょう。それも「正しいこと」です。
しかし人によっては、一度に3グラム以上のビタミンCを摂取すると、下痢を起こすのです。これはあまり知られていないことです。

ビタミンCの摂りすぎで下痢を起こす人は、肝臓が悪いことが多いです。ビタミンCと肝臓の関係は複雑で、ビタミンCには肝臓を守る働きもあります。しかしビタミンCは、肝臓を活発にさせる作用があり、そのため肝臓が「過労」気味になってしまうのです。
肝臓が「過労」になると消化に悪影響を及ぼすので、消化不良になり下痢を引き起こすのです。
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100ミリグラムが理想

ビタミンCの理想の摂取量は、1日100ミリグラムとされています。この数字は、人の吸収能力とも関係しています。100ミリグラムを摂取すると、腸は最大90%ものビタミンCを吸収できます。しかし1度に5000ミリグラムを摂取すると、腸の吸収は20%にまで落ちるのです。
つまりビタミンCはたくさん摂っても意味がないのです。

「神様の忘れ物」

ビタミンCは人の体にとって欠かせない栄養素ですが、体内で作り出すことができません。それでビタミンCは「神様の忘れ物」と呼ばれています。
つまり、人はビタミンCを食べ続けなければならないのです。しかもビタミンCは、一気に摂って「食い溜める」ことができません。日々の食事の中で、少しずつ、でも確実に摂っていかなければならないのです。
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1本で1/2個分

タバコは毒です。体の中に毒が入ると、体は毒を消し去ろうとします。そのとき活躍するのが肝臓です。肝臓には、毒を無毒にする「解毒作用」があります。肝臓が解毒の「仕事」をするときに必要とするのがビタミンCなのです。
タバコを1本吸うだけで、ビタミンCは25ミリグラムも消費されてしまいます。これはレモン1/2個分に相当します。またビタミンCの理想の摂取量である1日100ミリグラムを適切に摂取しても、タバコ1本で1/4も消えてしまうのです。

タバコは心臓や肺や血管を壊す「マイナスの作用」を引き起こすだけでなく、ビタミンCを奪うという「プラスの作用を打ち消す」こともするのです。

まとめ

健康になるには、「やる」だけでなく「考える」ことも必要なようです。面倒ですね。でも健康に関する知識は人に自慢できます。そんなゲーム感覚で健康知識を増やしていってはいかがでしょうか。