今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『冷え性』をご紹介させて頂きます。
「冷え性」と「寒い」はまったくの別物と考えてください。「寒い」は、あなたがいる環境の気温が低いことで起きる、正常なリアクションです。「冷え性」は、気温が高くても常温でも低くても起きる、異常な症状です。
「冷え性」は「痛み」に近いと考えてください。「痛み」は、「ここを治せ!」という警告です。「冷え性」も警告です。冷え性の方は、体のどこかに不具合が生じているのです。

冷え性

人の体には、体温を一定に保つ機能が備わっています。周囲の気温が下がると、脳が「血管を収縮させろ」と指示を出します。血管が縮まると、体の表面の温度を下がり、体内の熱の放出を防ぐことができます。
「冷え性」になると、こうした機能が働かず、気温が低下しても血管の収縮が起きないので、「周囲の人より寒く感じる」ようになってしまうのです。

冷え症の原因とは・・

①冷え性を起こす第1の原因は、神経の乱れです。神経とは、脳の指示を体のすべての器官に伝える、糸状の器官です。神経が乱れると、脳が発した「気温が下がった、血管を収縮させろ」という指示が、関係器官に届かなくなるのです。
強いストレスを長期にわたって受け続けたり、不規則な生活を続けたりすると、神経が乱れます。

②冷え性の原因その2は、きつい服を着ることです。皮膚が圧迫されると、皮膚の表面にある温度センサーが働かなくなります。脳が「自分はいま、寒い場所にいる」と判断できるのは、皮膚の温度センサーの情報が、神経を通じて脳に届くからです。その温度センサーが働かなくては、脳は「寒いところにいる」と判断できず、当然「血管を収縮せよ」と指示を出せなくなるのです。

貧血や低血圧の人は、血液の循環が悪く、血液と血管による温度調整がしにくい状態にありますので、冷え性を発症しやすくなります。
また、筋肉量も、冷え性に関係していると考えられています。筋肉は、運動によって発熱する効果があるからです。冷え性が、圧倒的に女性に多く発症するのは、筋肉量のためと考えられています。

また女性は、絶えずホルモンバランスが崩れやすい状態にあります。妊娠や出産、閉経などの大きな体調の変化のときは、特に崩れやすいです。このようなときに神経に支障が出て、冷え性が悪化することがあります。

冷え性を放置すると、頭痛腰痛のほか、生理が不順になったり、肌が荒れたりすることがあります。もっと深刻なのは、高血圧の人です。「寒い!」と強く感じることで、血圧がさらに上がってしまうことがあるのです。

「冷えは万病の元」です。生活を振り返ってみて、当てはまる原因が見付かった方は、予防に取り掛かりましょう。

改善方法・・

まずは、神経の乱れを修復する方法を紹介します。――とはいっても、深刻な神経の乱れを治すのは、医者にしかできません。ここで紹介するのは、「神経に良さそうといわれていること」に過ぎません。ただ、自宅で簡単に取り組めるという利点があります。

それは、「休む」「くつろぐ」です。これだけです。良く眠ってください。暴飲暴食を避け、内臓を休めてください。緊張が強いられる仕事を回避してください。

4つの予防方法

次に紹介する4つの予防法のゴールは、血行を良くすることです。試しやすいものから取り組んでみてください。

●血行のために、その1
まず食生活を改善しましょう。インスタント食品は、しばらく食べないでください。そして、「ビタミンE」「ビタミンC」「ビタミンB1」「パントテン酸」「良質なたんぱく質」を摂ってください。それぞれの代表的な食材は次の通りです。

ビタミンE:らっかせい、モロヘイヤ、赤ピーマン、だいこん葉、バジル、パセリ
ビタミンC: 赤ピーマン、芽キャベツ、ケール、ブロッコリー、カリフラワー
パントテン酸:鶏レバー、豚レバー、卵黄、納豆
良質なたんぱく質:魚、豆腐

●血行のために、その2
お風呂にゆっくり入りましょう。シャワー浴や、熱めの湯は、しばらく中止してください。38~40度のぬるめの湯に、肩までつかって、30分以上入ってください。

●血行のために、その3
筋力アップしましょう。1日1万歩か、1日30分歩きを心掛けてください。スクワット運動は、足やお尻、腰の大きな筋肉を鍛えられるので、とても効果的です

●血行のために、その4
きつい服を着るのをやめましょう。

最後に。
もし、「冷え性」に加えて「全身のむくみ」が現れたら、医者にかかってください。自宅予防では解消しない可能性が高いです。
「冷え性」+「体のだるさ」も、治療が必要な場合があります。

冷え性は、体の悲鳴です。それは「医者に行こう!」と言っていることもある、と覚えておいてください。