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二児の母の写真
二児の母
(女性 / 40代)
二年前激しい運動の後に肉眼的血尿が出ました。慌てて泌尿器科に行き検査をしたら細胞診でも陰性で心配ないと言われました。セカンドオピニオンとして総合病院に行き同じく検査をしましたが、CTでナッツクラッカーと診断。去年末の人間ドックでもひっかかり要精密検査ということで腎臓内科に行きましたが、やはりナッツクラッカーによるものでしょうと言われました。
しかし、本日体調不良で一日中横になっており、犬の散歩に30分出たくらいですが、また肉眼的血尿です。運動してなるなら理屈が理解できますが、横になっていて血尿が現れることってあるのでしょうか?別の病気が考えられるのでしょうか、不安です。
貴方もネットで勉強なさったでしょう。
私がネットで調べえた限りでは、ナットクラッカー症候群とは左側の腎臓の静脈が動脈に圧迫されることが原因となって、目で見て赤い尿が出る疾患です。
ナッツクラッカー症候群、くるみ割り症候群、腎臓くるみ割り症候群、左腎静脈捕捉(ほそく)症候群、左翼腎静脈わな症候群などとも呼ばれます。
まれな疾患で、その多くは小児から思春期前後に発症します。
成人では、やせた人によくみられるともいわれています。
右側の腎臓の静脈は下大静脈にすぐに合流しますが、左側の腎臓の静脈は下大静脈に合流する途中で、
上腸間膜動脈と腹部大動脈の間を通り、ナットクラッカー(くるみ割り)の器具に挟まったような状態になっています。
この静脈が2つの動脈に挟まった部位で、動脈圧が高く静脈圧が低いために静脈が押しつぶされると、
静脈内圧が上がって静脈の血液の流れが悪くなるために、左側の腎臓の毛細血管がうっ血や出血を来し、排尿時に赤い尿が出ます。
身体的には無症状で、目で見て赤い肉眼的血尿のみが認められる場合が多く、一定の時を置いて起こる間欠的な血尿が認められます。
血尿は、ピンク色から鮮紅色で、コーラのように色の濃いこともあります。
尿の中に混ざる赤血球の程度によって、多ければ目で見て明らかに赤い肉眼的血尿となり、
少なければ見た目は正常な尿の色でも赤血球が混ざっているいわゆる尿潜血、または顕微鏡的血尿の状態になります。
ナットクラッカー症候群でも、検診などによって尿潜血を認めることによって発見されるケースが多くみられます。
症状が重いケースでは、血尿のほかに、片腹部痛、腰痛、貧血、精巣静脈瘤(りゅう)、卵巣静脈瘤、起立性蛋白(たんぱく)尿がみられることもあります。
精巣静脈瘤、卵巣静脈瘤があると、不妊の原因になることもあります。
こうした一部のケースを除き、ナットクラッカー症候群の予後は良好で、多くは時間の経過とともに、
他の静脈への側副血行路といわれる血液の別ルートが発達しますので、自然に治ることがほとんどです。
以上が調べえた情報報告です。
貴方が信頼できる専門医に相談し、経過観察されてください。