今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『2016年の花粉飛散量』をご紹介させて頂きます。
花粉の飛散量は、前年夏の気温が大きく関係します。
花粉を飛ばすスギの雄花は、7月から10月にかけて成長します。この時期に日照時間が長く暖かい日が続くと、花粉が大量につくられ、翌年の飛散量は多くなります。また、冷夏で気温が上がらない、雨が多く日射量が減ると花粉量は少なくなり、飛散量も減少します。

昨年に続き、少なめ予測

そこで前年8月の平均気温を見てみますと、例年並みの数字でした。しかし、気温の変動は大きく、上旬は太平洋高気圧の勢力が強まり各地で猛烈な暑さを記録した一方で、中旬以降は低気圧や前線の停滞、南米ペルー沖で続いたエルニーニョ現象の影響により冷夏となりました。そのため、2016年春のスギ・ヒノキ花粉飛散量は、例年より2〜3割少ない見込みです。

とは言っても、日本の冷夏は2年連続です。2016年春の花粉飛散量は、過去5年間の平均に対して少なめの予測ですが、前年と比べてみると、九州・四国・中国・近畿地方では「やや多め」の花粉飛散が予想されます。東海・北陸・関東甲信・東北地方は「やや少ない」飛散となる見込みです。
さらに、九州北部や東海地方の一部では、前年の2倍以上の花粉が飛ぶとの予測がでています。また、北海道のシラカバ花粉の飛散量は今年は少なめでしょう。

花粉

暖冬で例年より「やや早い」始まり

スギ・ヒノキ花粉は、1月の気温が高いと飛散開始は早まります。今年は暖冬ですので飛散の開始は例年より「やや早く」、スギ花粉が1月中旬から下旬、ヒノキ花粉が2月上旬から飛散という予測です。
花粉前線の本格化は2月上旬からで、九州・中国・四国・東海地方から始まり、その後、2月中旬には北陸・関東甲信地方を通り、3月中旬にかけて東北地方を北上するでしょう。

飛散量は10年前の2倍

花粉の飛散量は2年連続減少傾向ですが、10年前と比較すると約2倍で、近年の花粉飛散量は増加しています。
現在、日本人の4人に1人が花粉症といわれています。スギ・ヒノキ以外の時期にも花粉症の症状を訴える人が増えています。日本には、スギ・ヒノキ・シラカバ以外にも、カモガヤ・オオアワガエリ・ブタクサ・ヨモギなど60種類以上の植物が花粉症の原因物質として存在すると報告されています。

花粉自体はもともと人体に悪影響を及ぼすものではありません。ただ、花粉が目・鼻・のどから体内に入ると、リンパ球が花粉を異物と認識し抗体を作ります。一旦、体内にできた抗体は、花粉が入るたびに「追い出そう」と過敏に反応し、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こします。これが、花粉症の正体と言われています。

花粉

風邪というより、花粉症かも

くしゃみが止まらない、透明な鼻水が出る、鼻づまりがひどい、目のかゆみが続くは、花粉症の四大症状と言われます。もし風邪であれば1週間ほどで症状は軽くなるでしょう。四大症状のひとつでも続くなら花粉症かもしれません。
花粉症は早めの対策が大事です。花粉症かもと思ったら、耳鼻科・耳鼻咽喉科・眼科・アレルギー科の医師に相談するとよいでしょう。血液検査でどの花粉の抗体ができているのかがわかります。

花粉

自分に合った治療を選びましょう

花粉症の症状は人によってちがいます。治療薬も、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などがあり、なかには副作用で眠くなる、のどが渇く、体がだるくなるものがあります。早めに医師に診てもらい、自分に合った治療を選びましょう。
新しい薬や花粉防止グッズの開発は進化しています。花粉対策のマスク・メガネ・スカーフ・コートなども年々種類が増えています。コーディネートを楽しむこともできる時代です。

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