巨大結腸症 キョダイケッチョウショウ

初診に適した診療科目

巨大結腸症はどんな病気?

「巨大結腸症」とは、腸の壁にある神経が機能しない事により、腸が正常に動く事ができずしぼんだままになり、その口側の腸が張ってしまう病気です。直腸や大腸が異常に拡張し、その動きが悪くなって便秘になるものです。直腸や大腸の悪性腫瘍や、手術後の癒着による便やガスの通過障害が原因である場合が多いです。腸閉塞の一種で、先天性と後天性に分けられます。

主な症状

巨大結腸症の症状は、多くは先天性で新生児期に発症します。1~2週間も便が出ずお腹が張り、嘔吐、下痢を繰り返します。哺乳能力や弱くなります。栄養障害を起こすことや、嘔吐物を吸い込み肺炎を起こすこともあります。呼吸がうまくできないと死に至ります。乳児期以降に発症した場合は頑固な便秘やお腹の張り程度の軽症で済むことがほとんどです。

主な原因

巨大結腸症の原因解明は、まだまだ不十分であり、根本的な部分は明らかになっていません。しかし、先天性に発症している場合では、近年、幾つかの遺伝子情報の異常が深くかかわっていることが明らかになりつつあります。また、後天性の場合でも、他の疾患から起因して発症します。今後は、先天性、後天性いずれの場合でも、更なる研究と解明が望まれます。

主な検査と診断

巨大結腸症の検査方法は、主にレントゲン検査となります。腹部単純レントゲン検査では腸閉塞の像が確認できます。また、肛門から腸の中へ造影剤を入れてレントゲン撮影を行う注腸造影検査や、直腸の内圧を測定する精密検査もあります。更には、直腸鏡による、直腸の観察検査や、直腸の組織の一部を採取し顕微鏡で観察する生検を行うこともあります。

主な治療方法

巨大結腸症の治療法は、専門的な手術(具体的に、小児外科と呼ばれる特殊な専門医での手術)を行うことになります。根治手術は、ある程度発育するのを待ってから行われるため、それまでの間、点滴栄養や肛門拡張、浣腸などで状態の維持を図ります。なお、根治手術を行うことで予後は良好となりますが、将来的に肛門が機能しなくなり、結果として人工肛門となる場合があります。