先天性耳瘻孔

初診に適した診療科目

先天性耳瘻孔はどんな病気?

先天性耳瘻孔とは遺伝性であり、耳介の前方に小さな孔があることを指し、その大きさは人によって違いがありますが大きさは縫い針穴くらいです。
この孔の下には袋状のものがあり、そこに分泌物がたまることによって、感染の原因となり炎症を起こす可能性があります。感染すると袋ごと腫れ、痛みを伴います。
治療としては、何も症状がない場合はそのままにしますが、感染と炎症を繰り返す場合は、袋ごと孔を摘出する手術を行います。

主な症状

先天性耳瘻孔は何も症状のないこともあります。しかし、ときによって、耳介と呼ばれる、耳の外側の部分に痛みが感じられるようになることがあります。
具体的には、耳介の前方に見られる孔に白い泥のような分泌物が溜まり、そこを押すと又は放置していると分泌物が孔から出てきて、それが炎症を引き起こします。
この時点で耳の痛みが認められるのですが、更にその孔に分泌物が溜まりすぎて孔の周りの皮下組織が炎症を起こすと、激痛が生じる、というのが主な症状です。

主な原因

耳介は、赤ちゃんが胎児の頃にいつくかの軟骨性の塊が寄り集まって、ひとつの軟骨が形成されていると考えられています。
先天性耳瘻孔においては、これらの軟骨性の塊がひとつの軟骨に癒合する時にうまく行かず、小さな隙間が出来てしまうことが原因だと推測されています。
この隙間が、出生後に、縫い針程度の小さい孔である瘻孔になるものです。

主な検査と診断

耳鼻咽喉科での先天性耳瘻孔の検査方法としては、耳の状態を観察することが重要になり、主に視診で診断することが可能になります。この病気では耳の下に臭いのする分泌物が蓄積されているかを視診したり、耳の周囲を圧迫し分泌液が出るかどうかを確認します。
この疾患で手術が必要な場合は、血液検査を用いる事があり、心電図や胸のレントゲン撮影を行い、手術前に精密な検査を行う事が必要になります。

主な治療方法

先天性耳瘻孔は見つけても何も症状がなければ放置しても大丈夫です。感染しないように周りを清潔に保つことが大事です。感染を起こした場合の治療法は、初期なら外科的治療をせず、抗生剤などで治療します。
しかし、ひどくなり膿瘍になると薬では効かず、救急処置として、切開し、膿を出す必要があります。
そして、一旦炎症がおさまりしだい、再度袋ごと孔を摘出する手術を行います。