今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『手足のしびれは「ニューロパチー」かも?』をご紹介させて頂きます。

3つの「末梢神経」の障害

「ニューロパチー(Neuropathy)」とは、末梢神経に障害が起こった状態、あるいはその状態によって生じるさまざまな病気をあらわす総称です。別名「末梢神経障害」と呼ばれることもあります。

末梢神経は、中枢神経(脳と脊髄)から分かれて全身の器官・組織に分布する神経です。中枢神経にさまざまな情報を送り、そして中枢神経からの指令を体の組織や器官などに伝える働きをします。

末梢神経は、
(1)筋肉を動かす「運動神経」
(2)暑さ・寒さ・痛みなど温痛覚や触覚を感じる「感覚神経」
(3)内臓や血管の働きや体温調節などを制御する「自律神経」
から成り立っています。体のすみずみにまで広く行き渡っているため、その一部が損傷すると、手足の感覚が鈍くなる、しびれる、筋力が低下するなどの症状があらわれます。

「手足のしびれ」や「感覚異常」など

末梢神経は体全体に広がっているため、「ニューロパチー」によって起こる症状は、多岐にわたります。「運動神経」に障害が起こると、筋力が低下する、筋肉がやせる、歩くことや立ち上がることが困難になる、といった症状がみられます。

「感覚神経」に炎症などがみられる場合は、熱さ・冷たさ・痛みなどの感覚が鈍くなり、また、手足などのしびれ、体のふらつきがあらわれます。「自律神経」の障害では、立ちくらみ、下痢や便秘、発汗の調整ができない、トイレが近いなどが起こります。

原因は、糖尿病、お酒、ウイルス感染など

「ニューロパチー」の原因は、
(1)糖尿病
(2)膠原病
(3)アルコールの過剰摂取
(4)ビタミンBの欠乏
(5)代謝異常
(6)薬剤、金属類、化学物質による中毒
(7)マイコプラズマやらい菌など細菌やウイルスによる感染
(8)悪性腫瘍(がんなど)
(9)遺伝によるもの
など多岐にわたります。

したがって、治療では、神経障害の進行をできるかぎり防ぐために、症状の原因をつきとめることが大切になります。血液検査に加えて、「末梢神経伝導検査」、「体性誘発感覚電位」、「針筋電図」などいくつかの検査を実施するのが一般的です。症状によっては、中枢神経との関連を調べるために、MRI(磁気共鳴画像)による画像診断や髄液検査を行うことがあります。

「脳神経外科」や「整形外科」を受診する

「ニューロパチー」では、初期症状に「手足のしびれや痛み」を感じる人が多いとされています。症状に思いあたるようなら、早めに「脳神経外科」や「整形外科」を受診し、専門医に相談しましょう。

治療は、原因や症状にあわせて、抹消神経の障害を回復させる、あるいは症状の進行を抑える方法が選ばれます。
(1)ステロイド剤、ビタミン剤、免疫抑制剤などによる「薬物治療」
(2)原因物質を含む血漿(けっしょう)を廃棄して、同じ量の健康な血漿を入れて置き換える「血漿交換療法」
(3)電気刺激を利用した「物理療法」などによる治療が行われます。


症状が長引く場合は、専用の装具を作り、リハビリテーションを行うことがあります。また、末梢神経の圧迫の様子によっては、外科手術が検討されるでしょう。

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