若い世代に増える「結核」の原因や症状など

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 若い世代に増える「結核」の原因や症状など 』をご紹介させて頂きます。

結核は「肺だけじゃない」

「結核」は、結核菌が体の中に侵入し、増えることでさまざまな症状が起こる感染症です。結核菌は、肺、リンパ節、腎臓、大腸、骨髄、中枢神経(脳や髄膜)などさまざまな組織に感染し、障害をもたらします。

日本では、結核患者の約80%が「肺」への感染によって発症していることから、結核というと「肺結核」をあらわす場合が多いでしょう。一方、肺以外の臓器で感染する結核は「肺外結核」と呼ばれます。

はじめは「風邪のような」症状

「肺結核」は、感染した場合、はじめは風邪に似た症状が起こります。
(1)咳
(2)たん
(3)発熱
(4)倦怠感
(5)食欲不振
(6)寝汗
などの症状がみられます。これらの症状が長引くのが特徴です。長く続くことで体重が減り、さらに体力が奪われて回復が遅れる、といった悪循環につながる恐れがあります。

重症化すると咳がひどくなり、血たんがあらわれます。喀血(咳といっしょに血を吐き出すこと)や、呼吸困難が起こることがあり、死に至るケースもあります。

一方、「肺外結核」は、微熱が出る、体に多少の怠さを感じる、といった程度の症状で、肺結核のような明らかな特徴はほとんど見られません。肺外結核は、結核患者全体の約7%とわずかですが、脳で起こる結核の「髄膜炎」は、重症して死亡する人が少なくありません。現代でも、油断できない病気です。

なぜか、日本は減らない「結核」

日本において「結核」は、社会の都市化や産業革命が進んだ1883年(明治16年)頃から流行が始まり、その猛威は1945年(昭和20年)ごろまで続きました。その長い年月のあいだ、女工を含む若い工場労働者を中心に、結核による死亡者数は上昇しています。1935年(昭和10年)から1945年までの10年間、結核は死亡原因(戦死は除く)の第1位であり続けたほどです。

かつては「亡国病」と呼ばれて恐れられていた病気です。その後、終戦(1945年)を境に結核の流行はおさまっていきます。ところが、1996年(平成8年)頃から、再び結核患者数が増加するようになります。

現在では、日本は人口10万人あたり14.4人が結核に感染していることが報告されています。つまり、約7000人に1人が結核患者であることになります。これは先進国ではかなり高い数字です。欧米諸国でもっとも高いイギリスでは、10万人あたり9.6人、ドイツは7.1人、アメリカは3人です。日本では、全国で毎年約2万人が新しく結核に感染しています。そのため、世界から日本は「結核中進国」と位置付けられています。

感染しても「発病する」とは限らない

結核は、結核患者の発した「咳」や「くしゃみ」などで空気中に放たれた「結核菌」を吸い込むことで感染します。いわゆる「空気感染」と呼ばれる経路です。

しかし、結核に感染しても必ず発病するとは限りません。健康であれば免疫力によって、結核菌を抑えることができます。それが、過労や栄養不良などで体力が低下して免疫機能の働きが弱くなり、抵抗力が落ちていると、結核が発病するリスクは高くなります。

結核患者の約60%は、感染から1年以内に発病しています。しかし、感染から2年以上経過して発病することも珍しくありません。発病は、結核菌の動きが活発になり、増殖することで起こります。免疫細胞によって殺菌されずに、しぶとく残った「結核菌」が、時間を経て肺の内部で増え、結核病巣を作り、炎症を起こしてゆくのです。さらに、肺からリンパの流れに沿って、ほかの臓器にまで拡がると「肺外結核」が発症します。

治すには、薬を「6ヶ月間」飲む

BCG接種を受けた場合でも、約5~10%の人が、結核を発病するといわれています。咳やたんなど風邪の症状が2週間以上続くようなら、すみやかに「内科(子どもは小児科)」を受診し、専門医に相談しましょう。

感染は、ツベルクリン液を注射する「ツベルクリン反応検査」などによって調べます。発病は、X線を使った画像診断の結果で判断されるでしょう。症状によっては、入院することもあります。

治療は「抗結核薬」を服用するのが一般的です。約2週間飲み続けることで、周囲への感染は抑えることができます。薬物治療は、約6ヶ月続けることになるでしょう。医師の指示を守って、最後まで飲み続けることが大事です。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。