肝臓の働きを知る「AST 」「ALT 」「γ-GTP」とは?

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 肝臓の働きを知る「AST 」「ALT 」「γ-GTP」とは? 』をご紹介させて頂きます。

健康診断結果を「読み解く」

会社などで定期的な健康診断を受診すると、しばらくして「結果報告書(健康診断結果のお知らせ)」がお手元に届くことでしょう。多少ドキドキしながら開いてみると、多くの人はまず「判定」を見て、異常がないか、生活に差し支えないか、注意するところはどこか、などを確認します。そして、「総合所見」を読んで、生活習慣の見直しなどを検討するでしょう。

「健康診断結果」をそれ以上に詳しく、つまり1つ1つ熟読する人は少ないかもしれません。しかし、結果の細かい項目を確認することで、現在の自分の体の状態を把握することができます。そのデータを基に、体の調子を整えることで、仕事・学業・家庭などで、より快適な生活を送ることに役立ちます。

肝臓の状態を「見極める」ための項目

健康診断結果が示す項目のなかで、あまり馴染みがないのは「肝臓系」の検査項目でしょうか。そのなかでも、「AST 」、「ALT 」、「γ-GTP」は、専門的で難しい項目といわれています。これらの項目で示される数値を確認し、気をつけることは、肝臓が健全に働いているかどうかを見極めることになります。

心臓や胃腸など、内臓を健康に保つ心がけが、穏やかな日常生活にとても重要であることはいうまでもありません。しかし「肝臓の状態」こそ、十分に気を配る必要があるようです。なぜなら、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、さらに肝臓病は「サイレントキラー」の異名を持つからです。

病気が「静かに進行する」肝臓病の怖さ

肝臓は、人間が持つ臓器のなかでは、もっとも大きな内臓器官です。重さでいえば、成人男性は約1200~1400g、成人女性でも約1000~1200gあります(心臓の約3〜4倍)。これは体重の約2.8%にあたります。

そして、肝臓は大変に優れた臓器で、一部の肝細胞に障害が起こったときでも、他の細胞がその機能を補いながら、何とか肝臓としての働きをこなす努力をします。そのため、肝臓病にかかっていながらも、初期においては、痛みなどの自覚症状がほとんど見られないのが特徴です。そのため「沈黙の臓器」と呼ばれています。

もしも、知らないあいだに「肝臓病にかかっている」としたら、いくら臓器が沈黙していても、肝臓の機能を脅かす症状は少しずつ進行しています。そして明確な症状が見られたときには、すでに重症化しているケースは少なくありません。気づけばいきなり、慢性肝炎、肝硬変肝がんへと進行している人もいるくらいです。

肝機能で必須の「3つ」の検査項目

肝臓は、初期症状がほとんど見られない恐ろしさがあるからこそ、「AST 」、「ALT 」、「γ-GTP」といった数値が、現在の健康状態を示す大事な要素になります。「肝臓系」の検査項目である「AST」 、「ALT」 、「γ-GTP」は、健康診断や人間ドックなどで広く行われている検査です。血液を採取して、肝臓の状態を調べるのに基本となる必須項目といえます。

AST、ALTは肝細胞で、γ-GTPは胆管でつくられる「トランスアミナーゼ」と呼ばれる酵素の名前です。これらの酵素は、肝臓に障害が起こると、血液中に大量に漏れ出すため、その状態が肝機能検査に利用されています。

「AST」や「ALT」ってなに?

「AST」は、Aspartate Aminotransferaseの略で、日本では「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」と名づけられていますが、最近では「AST」呼ばれることが多いようです。以前は、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていた成分です。

「ALT」は、Alanine aminotransferaseの略で、日本では「アラニンアミノトランスフェラーゼ」という名前がつけられていますが、現在はほとんど「ALT」と表記されています。以前は、「GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)」と呼ばれていました。

「AST 」と「ALT 」は、どちらもアミノ酸をつくる働きをしています。肝臓のおもな働きである代謝や解毒作用は、ASTやALTの助けによって行われています。ASTとALTの値がともに高いときは、肝臓の細胞が壊れているサインです。
ALTのみが高い値にあると、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝肝がん、アルコール性肝炎などが疑われます。一方、ASLのみが高い値を示しているときは、肝臓以外の病気、例えば心筋梗塞、筋ジストロフィーの疑いが考えられます。

高い「γ-GTP」は、アルコール性肝障害の疑いが!

γ-GTPは「ガンマージーティーピー」と呼びます。最近では、アルコール性肝障害の指標として知られるようになっている項目です。日頃からお酒をたくさん飲む習慣のある人は、γ-GTP値が高くなります。

肝臓の障害とともに胆汁の流れが滞ると、血液中で「γ-GTP」が上昇します。(1)慢性肝炎
(2)肝硬変
(3)肝がん
(4)薬剤性肝障害
(5)胆石
(6)胆道がん
(7)すい臓がん
(8)すい炎
などといった、重い病気の疑いが持たられるでしょう。

γ-GTP値の上昇は、アルコールの過剰摂取が大きな原因です。γ-GTP値が高い人で、現在まで肝臓に異常を感じない場合でも、治療せずに放置していれば、近く肝障害を引き起こす可能性が高いといえます。節酒を心がけて、肝臓病へのリスクを下げる努力が大事です。

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