今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 お肌のハリや弾力を支える「エラスチン」について 』をご紹介させて頂きます。

コラーゲンと「同じくらい」大事な成分

お肌のコンディションを整える成分といえば、多くの人は、はじめに「コラーゲン」を頭に思い浮かべることでしょう。コラーゲンは、肌や軟骨などをつくる繊維状のタンパク質としてよく知られている成分です。

コラーゲンのプルプルした弾力性が、お肌にハリをもたらします。ところがその弾力性は、コラーゲンの他に「エラスチン」と呼ばれる繊維成分によって支えられているのです。「エラスチン」は、ロイシン、アラニン、グリシン、プロリン、バリンなど800個以上のアミノ酸からなる不溶性のタンパク質です。コラーゲンほど知名度はありませんが、健康的なお肌を保つためには欠かせない成分です。

「伸縮自在の特徴」を活かして

皮膚は外側から、
(1)表皮
(2)真皮
(3)皮下組織
の3つから構成されています。そして「エラスチン」は、コラーゲンと同じく「真皮」に含まれる成分です。繊維成分として、真皮のなかでコラーゲンが約70%を占めるのに対して、「エラスチン」の割合はわずか約2〜4%にすぎません。知名度の差は、組織内でも含有量の差に比例しているのでしょうか。

わずかな量の「エラスチン」ですが、ゴムのように自在に伸縮する性質が大きな特徴です。英語の「elastic(弾力のある,伸縮自在の)」から、その名前が付けられているとおりでしょう。そのため、この成分は「弾性線維」や「弾力線維」と呼ばれることがあります。

コラーゲン同士を結びつけて「お肌のハリ」をつくる

「エラスチン」は、真皮の他にも、動脈、腱、肺などに含まれています。その弾力性を活かして、血管や臓器を伸縮させる役目を担っています。そういった特徴を持った「エラスチン」は、お肌のうえでは、コラーゲンのあいだを
(1)コイル状に巻きついて絡み合い
(2)コラーゲンの繊維を束ね
(3)つなぎ止めるようにして
肌の弾力を支える働きをしています。

コラーゲン同士を結びつけて網目状に構成するのが、エラスチンの役割といえるでしょう。エラスチンがコラーゲンをしっかり結びつけることで、肌のハリが維持され、シワやたるみを防いでくれるのです。

一方で、体内でエラスチンが不足すると、コラーゲンを結びつけることができなくなります。すると、肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因に繋がります。肌以外にも影響があらわれるでしょう。血管の柔軟性が失われ、動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓などを発症するリスクが高くなるといった心配が起こります。

エラスチンは「年齢とともに減少」する

肌に含まれる「エラスチン」の量は、20代後半をピークに、年齢を重ねるごとにゆるやかに減少します。そして、40代を迎えると急激にその量は減少していきます。コラーゲンにも
これ同じことがいえます。

40代になると、急にシワ、たるみが気になり、ほうれい線が目立つように感じるのはそのためです。エラスチンが減少し、伸縮性が鈍くなってくるからです。そこで、肌の老化を抑えて美肌を保つには、コラーゲンだけでなく「エラスチン」もあわせて摂取する心がけがとても大事になるでしょう。

エラスチンを「増やす」には?

エラスチンは一度壊れると、再生するのに時間のかかる成分です。再生をサポートするには、普段の生活習慣がとても大事になります。
(1)紫外線を浴びすぎない
(2)できれば禁煙する
(3)ストレスをため込まない
(4)バランスのよい食事を適量摂取する
といった心がけが、お肌のコンディションを整えるのに役立ちます。「エラスチン」は、モツ、スジ肉、手羽先、軟骨、カツオなどに多く含まれています。意識して食事のメニューに摂り入れるとよいでしょう。これらは、コラーゲンも含まれています。

しかし、食べた栄養素がそのままエラスチンに換わるわけではありません。消化分解されて、エラスチンをつくるための原料の一部になります。それは原料のごく一部かもしれません。だからといって、摂取しなければエラスチンは増えてくれません。だから毎日少しずつでも、時間をかけながら、日々の暮らしのなかで、お肌を整える習慣を楽しむ気持ちが大事でしょう。つまり、美しい肌を保つには特効薬はない、ということでしょう。