今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『 口呼吸でなる「アデノイド顔貌」とは? 』をご紹介させて頂きます。

「アデノイド」とは?

「アデノイド」とは、喉のいちばん上(鼻から喉につながる部分)にあるリンパ組織です。細菌やウイルスが体内に侵入し、感染するのを防ぐ役割があります。日本語では、「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」とも呼ばれています。

アデノイド顔貌は、この「アデノイド」が肥大した症状の人に見られる特有の顔立ちです。普段から、
(1)口を「ぽかん」と開けた様子が目立ち
(2)下あごが後退して
(3)顔全体がゆるんで長くなったような顔つきが特徴です。この特徴から「ロングフェイス症候群」と呼ばれることもあります。

「約3〜6歳の子ども」は気をつけて !

人間のアデノイドなどの免疫器官は、免疫力が弱い幼少期は発育途中の段階にあります。そのため、細菌やウイルスに対して、免疫器官は過剰な反応を示して体を守ることになります。したがって、約3〜6歳の子ども(ピークは5歳)は、有害なウイルスなどが喉から侵入してくると、リンパ組織の反応が強くなり、「アデノイドの肥大化」が起こりやすくなります。

アデノイドの肥大によって、鼻から空気を通す道が狭くなるため、鼻で息がしにくくなります。すると、人間は呼吸を口で行う「口呼吸」をしなくてはならなくなります。口呼吸は、起きているときも、寝ているときも、常に口を開けたままの状態が続きます。すると、口周辺や舌の筋肉が衰えてゆるくなり、上あごにくらべて下あごが発達せずに後退して見える現象が起こります。これが、「アデノイド顔貌」です。

症状が悪化してくると、あごを中心に顔全体の骨格に歪みが出て、
(1)歯並びが悪くなる
(2)顔が長くなる
(3)前歯が出てくる
(4)鼻が低くなる
(5)唇が厚くなる
(6)猫背姿勢になる
といった症状を引き起こす心配があります。また、噛み合わせが悪くなることで、頭痛や歯周病に悩むことがあります。

口呼吸で「顔の骨格」がゆがむ?

人間は成長するにしたがいリンパ組織が発達して、免疫力が向上し、次第にアデノイドの肥大化はおさまってゆくでしょう。しかしそのあいだ、鼻呼吸がしづらくなるため、「口呼吸」でいる時間が長くなります。子どもがよく口を開けているのは、そのためです。

アデノイドの肥大が治っても、口呼吸が癖になると、その習慣が続くことで「アデノイド顔貌」になりやすいといわれています。特に思春期を過ぎても口呼吸の癖がある子どもは「アデノイド顔貌」への十分な注意が必要です。

口呼吸をすることで、細菌やウイルスが体内に侵入しやすくなり、ふたたびアデノイドの肥大が起こってしまいます。すると、口呼吸が増えることで、下あごの筋肉はますます衰える、という悪循環に陥る可能性があるでしょう。

子どもに「口呼吸の様子」が見られたら

もともと、人間のあごは「固定されない」構造になっています。会話、食事、呼吸など口やその周辺の筋肉がバランスを失うと、あごの位置は変わってしまうのです。そして、その変化が顔全体の歪みにつながります。

「アデノイド顔貌」では、唇、上あご、前歯などの形が変わり、歯並びが悪くなる、噛み合わせがよくない、といった事態を引き起こす心配があります。そして、全体として「しまりのない顔つき」になるのが特徴です。

(1)口元にしまりがない
(2)口を開けていることが多い
(3)風邪でもないのに口呼吸することがある
といった様子が見られたら、「アデノイド顔貌」のはじまりが疑われるでしょう。

「耳鼻咽喉科」や「矯正歯科」に相談

先に挙げた様子が見られたら、早めに「耳鼻咽喉科」や「矯正歯科」を受診し、専門医に相談しましょう。症状を直すには「マイオブレース治療」が効果的です。マイオブレース治療は、家にいるあいだの「1〜2時間」と「夜間就寝時」にマウスピースを装着する治療方法です。


自宅で専用のマウスピースを装着することで、
(1)口呼吸の習慣を矯正する
(2)鼻呼吸を促す
(3)歯、あご、舌の位置を正す
といった効果があります。医師の指導のもと、治療を続けると、顔の歪みを取り除くことが期待できます。

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