片頭痛の人に多い「アロディニア」とは?

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今回は『片頭痛の人に多い「アロディニア」とは?』をご紹介させて頂きます。

わずかな刺激に「痛み」を感じる

「アロディニア」は、日常生活に起こる普通では、痛みと思えないほどのわずかな刺激でも、脳が「痛み」や「違和感」として判断してしまう「神経障害」の1つです。「異痛症」とも呼ばれています。

触覚、視覚など特定の感覚が過敏になる「感覚異常」であることから、触れる、擦る、抑える、締めつける、といった肌に起こる反応や、気温・湿度・気圧の変化など、微小の刺激が、通常の何倍(あるいは何十倍)もの「痛み」としてあらわれてしまうのが、「アロディニア」の特徴です。アロディニアにかかる人は、肌を指でなぞるだけでも、「強い痛み」や「しびれ」を感じてしまいます。

風が顔にあたっても痛い?

アロディニアは、「通常は痛みにつながらない程度の微小刺激を強い痛みとして認識する感覚障害」と説明されますが、その定義はあいまいです。アメリカでは約400万人の患者が、アロディニアの症状に苦しんでいるといいます。日本国内では、現在のところ正確な患者数把は握できていない状態です。

よく見られる現象としては、
(1)風が顔にあたる
(2)強い光が顔にあたる
(3)メガネフレームが顔に触れる
(4)アクセサリーを体につける
(5)布団や毛布を体にかける
(6)衣類の継ぎ目が肌にあたる
(7)髪をゴムなどで結ぶ
(8)クシやブラシで髪をとかす
(9)歯ブラシが口腔内に触れる
(10)枕やシーツが顔や頭にあたる
(11)シャワーをあびる
などの行為が、アロディニアの人は、痛みや不快感のために「辛い」と感じてしまいます。

他にも、低周波・超音波・電磁波・重力など人間が本来自覚できないほど微小の刺激を疼痛(ズキズキする痛み)として認識してしまう人もいるようです。そのため、精神疾患・心因性によるヒステリーの一種と誤解されることも少なくありません。

「片頭痛」との関係

アロディニアが起こる原因やメカニズムについては、現在のところ完全に明らかになっていません。しかし、「片頭痛」が大きく影響していることは、どうやら確かなようです。実際、片頭痛に悩む患者の約70%が、アロディニアの症状を起こしているといわれています。

片頭痛によって大脳皮質の神経が過敏になって、本来は痛くない刺激を痛みと感じるからでしょう。片頭痛は、脳幹(脳の中心)にある「三叉神経(顔の感覚を支配している神経)」に、拡張した血管(動脈や静脈)が圧力をかけたり、炎症が伝わったりすることで起こる頭痛です。

刺激された三叉神経は、触覚・視覚・嗅覚などに影響があらわれます。すると、肌、目、耳などが受ける微小の刺激にも、痛みや不快感を伴うことになる、と考えられています。

このように、頭部や顔を知覚する神経が刺激され、過敏に反応する症状を「頭部アロディニア 」といいます。一方、片頭痛の影響が、「中枢神経」にまで拡がると、感覚異常の範囲も拡大され、体や手足にまで及ぶことになります。これは「頭蓋外アロディニア」と呼ばれる症状です。

心配なら「神経内科」を受診する

特別な心当たりがないのに、顔、頭部、手足などにズキズキとした痛みや、我慢できないような不快感が見られるときは、アロディニアの疑いがあります。できるだけ早めに、「神経内科」を受診しましょう。

アロディニアは、治療の難しい病気の1つです。治療には、片頭痛からのアプローチが有効とされ、一般的に「トリプタン」という薬が処方されています。トリプタンは、拡張した血管を収縮させ、周囲の炎症を抑える効果が期待できる医薬品です。片頭痛患者は、服用後2時間以内に、約92%の確率で頭痛の抑制を認めることになります。

ところが、片頭痛患者が「アロディニア」を発症した場合、その効果は約15%にまで落ち込みます。そのため、専門医と相談して、その他の薬物治療や「神経ブロック療法」が検討されるでしょう。

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