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今回は『耳たぶにできるしこり「アテローム」って?』をご紹介させて頂きます。

皮膚にできる「良性の腫瘍」

アテロームは、皮膚にできる「良性の腫瘍」です。皮膚の下に「袋状の腫瘍」ができて、そのなかに「垢(角質)」や「皮膚の脂(皮脂)」などの老廃物が溜まります。別名、粉瘤(ふんりゅう)、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)、アテローマとも呼ばれる症状です。皮膚にできる腫瘍のなかでも、もっとも発生頻度の高い症状と言われています。

本来、角質や皮脂は、自然に体から剥がれ落ちるものですが、アテロームに溜まった垢や脂は、表皮の袋から出ることなく、さらに多くの垢などを溜め込み、時間とともに半球状に盛り上がって、コブのように大きくなります。なかには、約10cmにまで成長するものもあります。

しこりの中心に「小さな黒点」を見つけたら

アテロームは、盛り上がった腫瘍の真ん中に、へそのような「小さな黒い点(開口部)」が見えるのが特徴です。腫瘍はやや硬く、指などで強めに押すと、中心の黒点(へそ)から白や黄色の膿が出ることがあります。排出された膿は、ドロドロして独特な臭いがあります。

アテロームは、体のどこにでも発生する可能性はありますが、
(1)耳のうしろ
(2)耳たぶ
(3)首
(4)顔
(5)脇
(6)胸
(7)背中
(8)お尻
(9)股のあいだ
(10)手足
などにできやすい傾向があります。

痛みはほとんどありません。ただし、腫瘍(袋)が破裂したり、細菌などに感染したりして炎症を引き起こすと、患部が赤く腫れて、痛みがあらわれます。すると、なかに溜まった膿から、強く不快な臭いが立つようになるでしょう。また、ニキビなどのように、引っ掻いたり、潰したりすると、症状が悪化するので注意が必要です。炎症して症状が悪化すると、医学的には「炎症性粉瘤」という診断に変わります。

早めに「皮膚科」を受診する

アテロームは、毛穴の一部(表皮)が内側にめくれて袋状のものができるのが始まりです。なぜ、表皮がそのように(めくれて袋状に)なるのか、詳しい原因はいまのところ明らかになっていません。疲労、ストレス、睡眠不足、偏った食生活など生活習慣の乱れが原因、と言われることがあります。もちろん、間接的な影響はあるでしょうが、現在まで、生活習慣との明確な因果関係は示されていません。

アテロームは、痛みがないことから放置する人もいますが、自然に治ることはほとんどありません。治癒するには、何らかの治療が必要です。発生箇所によっては、容姿に影響することでしょう。すみやかに「皮膚科」を受診し、専門医に相談しましょう。

痛みの少ない「へそ抜き法」手術

アテロームの治療は、基本的に「外科手術」による治癒が一般的です。自分で無理に潰しても治ることはありません。むしろ再発を招くだけです。医師からは、「へそ抜き法」と呼ばれる手術をすすめられるでしょう。比較的新しい方法で、従来の切開・縫合手術よりも、体への負担が軽減される手術です。

「へそ抜き法」は、局所麻酔から、ディスポーザブルパンチという4mmほどの小さなメスを使って患部に穴を開け、中身(溜まった老廃物)を出し、その後、しぼんだ袋の壁を切り取る治療法です。皮膚を切開しないため、手術は約5〜20分で済みます。痛みが少なく、傷跡が小さいのが特徴です。傷口を縫うことはせず、自然にふさがるのを待ちます。

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