今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『「アルコール依存症」への危険なサイン』をご紹介させて頂きます。

お酒好きと依存症の「違い」とは?

「アルコール依存症」は、お酒が好きでたくさん飲むだけでなく、自分でコントロールできないほど飲酒が習慣化している状態です。飲む量、飲む回数、飲むお酒の種類などで「依存症」が決まるわけではありません。

日常生活や人間関係に支障をきたしているにも関わらず、お酒にのめり込み、お酒を飲みたいという欲求を抑えることができません。時と場所を選ばず、つい飲酒をしてしまいます。自分の力では抑えることができない状態です。

飲酒行為が「急速にエスカレート」する

アルコール依存症は、抑えられない飲酒行為によって、お酒の量はどんどん増えていき、そこから飲酒の欲求も、ますます急速にエスカレートするのが、依存症の恐ろしさです。本人の意志ではどうすることもできず、また普段の性格とは関わりなく、時と場所に選ばずにお酒を飲んでしまい、いったん飲み始めると酔いつぶれるまで飲んでしまいます。

そういった自分の欲求や行動が、少しずつ激しくなっていることに、本人が気づかないケースがほとんどです。また、
(1)家族に指摘されても認めない
(2)強く否定する
(3)周囲に助けを求めない、という姿勢こそが症状の1つであり、依存症患者の特徴といえるでしょう。

そのため、症状がかなり悪化して、重篤な病気にかかる、家庭が崩壊する、職を失う、など体調や生活が問題化することがあります。そうして問題化して始めて、治療に向き合うことになるでしょう。しかし、そのときには、すでに体調や精神はだいぶ悪くなっており、肝炎や糖尿病などさまざまな病気を発症しています。

予備軍も合わせると「約294万人」が問題に!

アルコール依存症は、20代の若年層から高齢者まで、誰でもかかる可能性のある病気です。現在のところ、日本国内では、約80万人の患者数を抱えているといわれています。しかし、専門的な治療を受けている人は、そのうち約4万人にとどまっています。また、厚生労働省の発表では、そこに予備軍も加えると、全国で約294万人の男女が、アルコール問題での早めの助けや治療が必要であるといいます。

アルコールの多量摂取による習慣は、肝臓病、脳卒中、糖尿病、認知症、がんなどを発症するリスクが高まり、体の多くの器官や組織に影響があらわれます。その悪影響は、精神面にも起こることでしょう。アルコール依存症では、アルコールが抜ける、お酒の量が減る、あるいは一時的にお酒を断つなどによって起こる「離脱症状」がはっきり見られます。

危険なサインを「家族が」見逃さない!

体からアルコールが抜けても、飲めない状況になると、自然と
(1)手のふるえ
(2)イライラ感
(3)過度の興奮
(4)神経過敏
(5)強い情緒不安
(6)不眠
(7)焦燥感
(8)頭痛
(9)吐き気
(10)嘔吐
(11)不整脈
(12)動機
(13)集中力の低下
(14)発汗
(15)幻覚
(16)幻聴
(17)幻視
などの「離脱症状」が出るようになります。すると、依存症患者のほとんどは、これらの症状から逃避するために、隠れてでもお酒を大量に飲んでしまうといった悪循環が続きます。

そのような状況でも、「自分はアルコール依存症ではない」と断言する人がほとんどです。放っておくと症状は、急速に進みます。重い病気にかかる、他人に暴力を振るうなどの問題が起こる恐れがあります。次のような様子が見られたら、それはアルコール依存症の「危険なサイン」と見てよいでしょう。

・お酒の量が増えた
・飲む時間が長くなった
・飲むスピードが早くなった
・飲むと記憶を失くすことが多い
・昼間からの飲酒が習慣化してきた
・隠れて飲酒している様子がある
・飲んだ空きビン、空き缶を、こっそり片づける
・飲酒の事実を「ごまかす」ことがある
・あきらかに「離脱症状」が確認できる

アルコール依存症は、本人や家族だけでは抱えきれない問題です。自分たちだけで解決するには重たすぎる問題です。自分たちだけで悩まずに、各都道府県の「精神保健福祉センター」や、「精神科」や「心療内科」などの医療機関を訪れて、専門家にまずは相談することから始めてみましょう。

▶︎医師が薦める「精神科」の名医情報なら【名医ログ】