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今回は『「子どものわきが」は、どう対処すればいい?』をご紹介させて頂きます。

わきがの原因は「フェロモン」?

汗は、皮膚にある「汗腺」と呼ばれる器官から出ます。汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があり、それぞれ違う役割を果たしています。「エクリン腺」は、体のほとんどの皮膚にある汗腺です。エクリン腺から出る汗は、体温を調節するために出る汗です。透明でニオイはありません。

一方、「アポクリン腺」は、腋の下やへその周りなど限られた箇所にある汗腺です。アポクリン腺から出る汗は、もともとフェロモンのような役割を持っていました。仲間同士の確認や異性を引きつけるための汗です。しかし進化の過程で、その役割は退化したため、現在では「わきが」など体臭の原因となってしまっています。

わきがは「病気ではない」

アポクリン腺から出る汗は、そもそもニオイはありません。しかし、脂質やタンパク質を含んでいるため、白く濁って粘着性があります。そのベタベタした汗が、皮膚の表面に住む常在菌(体に存在する微生物・細菌)と混ざり合うことで、わきが特有のニオイを発しています。

したがって、わきがは病気ではありません。ここは誤解している人がいるようです。脇の下などに、「アポクリン腺の数が多い」、「アポクリン腺から出る汗の量が多い」といった体質が、わきがの原因とみられています。

わきがは遺伝する、「思春期」になったら注意して

わきがの体質は、「遺伝する可能性が高い」といわれています。そのため、両親がわきがである、あるいは多汗症にかかっているという場合は、子どもがわきがになる確率が高いと考えられます。

子どものわきがに気づくのは、約10〜18歳の「第二次性徴期」と呼ばれる時期です。いわゆる「思春期」です。思春期で、男の子は、「声変り」や「ひげの発生」が起こり,女の子は「月経」や「乳腺の発達」が見られるようになります。男性ホルモンや女性ホルモンが、急に増える時期です。体内では、ホルモンのバランスに大きな変化があらわれます。その変化によって、アポクリン腺は刺激され、白く濁った汗が多く出るようになります。

さらに、思春期は勉強やスポーツなど活動的になる時期で、疲れやすい、老廃物がたまりやすい、肉中心の食事が多いなど、アポクリン腺を活性化させる要素が多いことが挙げられます。これらの要因が重なることで、もともと「わきが体質」の子どもは、ニオイが強くなる傾向があります。

子どもの「体をチェック」してみましょう

子どもが「わきが」の症状がでるまえに、予兆となる現象が起きていないか確認してみましょう。
(1)シャツに黄ばみができる
(2)耳アカが湿っている
(3)興奮したり緊張したりすると汗ばむ
(4)足のニオイがきつい
といった現象が見られるようなら「わきが」の可能性があります。

「わきが」や「多汗症」の治療を専門に扱う医療機関を受診し、医師に相談しましょう。完全に治すには手術をすすめられるでしょう。最近は、子どもの負担を軽減するために、手術跡が小さく、日帰りで行う手術があります。

電磁波を脇の下に照射して、アポクリン汗腺を壊す「ミラドライ」、脇の下を数mm切開し、再発の少ない「クワドラカット法」、アポクリン汗腺を除去する「皮弁法」などが検討されるでしょう。現在のところ、ミラドライとクワドラカット法は「自費治療」で、皮弁法は「保険適用」です。

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